テクノロジー

「金の卵発掘プロジェクト」とは将来の日本経済を背負って立つ人材を発掘し、日本を元気にするためのビジネスプランコンテスト。前回、審査委員特別賞を受賞した3社が、受賞後どのように成長を遂げているのか。2回にわたり座談会形式で紹介する。

石井貴基

葵社長
石井貴基(いしい・たかき)
1984年生まれ。北海道出身。福島大学経済学部卒業後、リクルートに入社。ソニー生命保険勤務を経て、2012年3月株式会社葵を創業し、誰でも無料で学べる中学生向けオンライン学習塾アオイゼミをリリース。

ビジネス展開が加速

-- まずは、審査委員特別賞を受賞した感想から。

川多 建築業はベンチャーのイメージと懸け離れているので、どれだけ評価してもらえるか分かりませんでしたが、新しい発想のベンチャーという部分を打ち出していこうと考えていました。受賞できるとは予想していなかったので、やって良かったなと思います。

石井 われわれの場合はITが時流に乗っているという部分で自信を持っていたものの、第三者の方に評価していただくことには慣れていなかったので、非常にありがたいなと。

木村 ウチはそもそも葬祭業がエントリーしていいのかという気持ちがあって、あれだけの人前でプレゼンするのも初めてだったので緊張しました。受賞した時は葬祭業の必要性が認められた気がして、うれしかったですね。

川多 受賞の記事が載った『経済界』を、持ち歩いて宣伝したりしていたのですが、先日、北洋銀行のイノベーションファンドから出資を頂くことが決まりました。

木村 融資ではなくて出資ですか。羨ましいですね。

木村光希

おくりびとアカデミー代表取締役
木村光希(きむら・こうき)
1988年生まれ。北海道出身。2011年札幌大学経営学部卒業、同年NK北海道入社。12年Noyukに移籍、13年株式会社おくりびとアカデミー設立、代表取締役となる。同年一般社団法人日本納棺士技能協会設立、代表理事となる。

石井 そういう話を聞くと、率直にうれしいですね。ウチはベンチャーキャピタルをフルに使って、仮に赤字を垂れ流しても走り続けるという、今どきのITベンチャー流でやっているので、お2人ともきちんと事業として確立していて、さらに海外展開など自分ができないことをやっているのがいいと思います。

木村 私は会社を立ち上げて1年しかたっていないので、まだライバルにもなれていないかなと思っています。私はアナログ人間なので、ITを手掛けている方を見ると羨ましいと感じます。

石井 IT業界のスピード感は、他の業界の大体4倍くらいといわれているので、3カ月あれば周期が全然変わってしまいます。その一方で、フワフワしていて地に足がついていない業界でもあるんですよ。

木村 ITが持つ拡散のスピードと、エリアの広さに憧れる部分はすごくありますね。

当面の課題は人材不足

-- 今、壁にぶつかっていることはありますか。

石井 何といっても人が足りないですね。あの手この手で何とか人を集めようとしています。大人数の組織として動くのは未体験ゾーンですから、いろんな方にお話を伺いつつやっています。

川多弘也

パッシブホーム社長
川多弘也(かわた・ひろや)
1967年生まれ。北海道出身。85年北海道電力入社。2008年に退職後、パッシブホームを含め3社の株式会社の経営に携わる。建物の光熱費を削減するパッシブ設計普及事業およびコンサルティングなどを行う。

川多 人材はどこも足りないですよね。われわれは建築業で、設計も不動産も手掛けているので、社員1人で10人ぶんくらいの仕事をやってもらっているんです。普通は1カ月くらいかける提案書を1日で作ったり、設計も1週間かかっていたものを6時間程度で作れるようにしたり。人を育てるのには時間がかかるので、効率的に仕事ができるようにソフトを作って対応しています。海外から人を連れてくるという手もありますが、いかに自分たちでできるかが課題です。

木村 われわれは、教育機関でもあり、生徒さんたちがお金を払ってくれるほうなので、あまり困ってはいません。将来やりたいことのために、いかに納棺士を増やせるかが鍵で、そのための教育機関でもありますので、引き続き頑張っていきたいと思います。

座談会の様子

(次号、後編に続く)

(司会=本誌編集長・吉田浩 写真=佐藤元樹)

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