文化・ライフ

 前回までで、美しいスイングを作り上げる土台=「アドレス」の説明は一段落としたい。ここで本格的な動きの説明に入る前に、スイング作りに取り組む際の考え方について説明しよう。頭の中を整える、これはスイングを作るためのもう1つの土台である。

株価チャート

株価チャートでは細かな変動と同時に、趨勢としての移動平均線を見ることが大切。ゴルフの上達についてもそうでありたい

スイング作りでは細かな上げ下げに一喜一憂しない!

 右肩上がりの直線で上達することが理想と多くのゴルファーは考えています。しかし、もし上達の度合いをグラフにすれば、株価チャートのようなもの。短期的な上昇もあれば下降もあり得るものです。

 バックスイングの初期にインサイドに上げているエラーをビデオで確認し、矯正しようとしたとします。「今までよりアウトに上げる」ことで正しい軌道になりますが、慣れた動きと異なるため違和感が生じます。それが再現性や安定度の低下を引き起こすと、正しい動きに直しているはずなのに、当面の結果としては悪化してしまう可能性もないわけではない。株価チャートで言えば下降局面です。

スイング技術レベルの変化

矯正開始当初はレベルが低下したような時期がくる。が、矯正内容が適切に定着すればレベルアップが結果として現れてくる。その後の安定期にさらなる定着を図り、次の課題に向かう。こうしたサイクルで上達していく

 しかし、エラーの本質的な原因を見据えた上での矯正内容であれば、この取り組みを続けることが大切です。そのうち新しい動きに身体が慣れ、またほかの部分の動きとなじんできます。そうなれば効果は確実に好結果としてあらわれてきます。チャートの指標は上昇に反転するのです。

 ただし、その上昇が長く続かないこともまたあり得ます。「今までよりアウトに上げる」感覚でうまくいっていたのに、いつの間にか「今までよりアウト」では実際に本来のアウトサイドに上がってしまうようになる。オーバードゥと呼ばれる現象で、今度は逆に元に戻すように「インサイドに上げる」意識をもつ必要が出てきます。

スイングの微調整で動きを定着させるのがコツ

 実は正しい動きを身に付けるには、こうした修正とオーバードゥのパターンを繰り返し調整することが必要な過程なのです。こうした微調整をしている段階は、上達のチャート的には踊り場的な目立った変化のない局面と言えるでしょう。しかしこの段階における試行錯誤で今までと違う動きを身体に定着させることが、次の課題に取り組む準備となります。

 上達度合いをチャートにすると、短期的に見れば上昇と下降や停滞期が入れ替わってあらわれます。が、適切な判断で矯正しているのならば、全体的な趨勢、あるいは株価チャートの「移動平均線」的には優良の「右肩上がり銘柄」になるのです。日々の細かな動きで一喜一憂するのはあまり意味がありません。株価チャートの本質を見抜く感覚で、自らの上達の様子を見守りながら、一つひとつの課題にじっくり取り組むことが、上達の王道となることを忘れないでください。

 

バックスイングの初期の間違い

バックスイングの初期の間違い。これは「インサイド」に入れ過ぎている。本質的な原因を見抜いた上で矯正することが肝要

修正した正しい軌道

修正した正しい軌道。本人の感覚としては「アウトサイド」、つまり感覚と実際の誤差があり、これが不安定な結果を招く原因

再び感覚と実際の誤差の調整が必要となる

動きがなじんできた時期に「アウトサイド」の意識を持つとオーバードゥになりやすい。再び感覚と実際の誤差の調整が必要となる

 

CEOゴルフのポイント

□ 動きを矯正すると違和感があり、当初は良い結果が出なくなるものと心得る。

□ 矯正にはオーバードゥがつきもの。客観的確認が必要。

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