政治・経済

 食品など生活必需品の消費税率を低く抑える軽減税率の導入をめぐり、自民・公明両党は7月8日、与党税制協議会を開き、業界団体からの意見聴取を始めた。8月下旬にかけて計5回、46団体からの聴取を行う予定だが、利害も絡んで業界の賛否は分かれており、簡単にまとまるか、予断を許さない。

 「(今年の年末までに)さらに内容を詰めていきたい」。与党による意見聴取開始を受け、麻生太郎財務相は同日の閣議後会見で、こう述べた。自公がまとめた2014年度の税制改正大綱に、14年12月までに軽減税率の制度設計の結論を出すと書かれていることを念頭に置いたものだ。麻生氏は2月の衆院予算委員会で年内の制度設計は難しいとの見方を示していたが、その後、容認姿勢に変わった経緯がある。

麻生太郎財務相

麻生太郎財務相

 8日の意見聴取には、経団連や連合など11団体が参加した。このうち、賛成は全国消費者団体連合のみで、残る10団体は、軒並み反対。理由は共通して、「軽減税率は本当の低所得者対策にはならない」というものだ。

 経団連の佐々木則夫副会長は意見聴取後、記者団に対し、「軽減税率は低所得者よりも高所得者のほうが、緩和効果が大きい」と指摘。連合の神津里季生事務局長も、「高所得者に多くの財源が回るのは矛盾している」と批判した。日本税理士会連合会の上西左大信常務理事は、事務作業が煩雑になることを理由に、「採用すべきではない」としている。これに対し、唯一賛成した全国消費者団体連合会は、すべての飲食料品への軽減税率適用を求めた。

 与党は、8月下旬まで意見聴取を続け、秋に論点を整理する。今月8日の聴取と同様に、反対する団体は少なくないとみられる。財務省は、軽減税率の対象範囲ごとに、税率1%当たりの減収額が6600億から200億円とする8通りの試算を出しているが、与党はこうした試算なども踏まえ、12月までに導入することの是非を含めた結論を出す方針だ。

 

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