国際

歴史的水準に照らして問題はなし

 独立記念日を翌日に控えた今月3日、米国株式市場でダウ工業株30種平均は1万7千㌦の大台を初めて上回り、過去最高値を更新して取引を終えた。

 ダウ平均はリーマンショックから半年後の2009年3月に7千㌦を割り込む水準まで下落したが、そこをボトムとしてその後の5年と4カ月で1万㌦超の上昇を演じたことになる。この間、多少の動揺はあったものの、今振り返ればほぼ一本調子に右肩上がりに上げてきた相場であった。

 「米国株はバブルなのか?」その問いには既にイエレンFRB議長が答えてくれている。先月の米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見の席で、イエレン議長は、株価の収益や配当に関するバリュエーションを歴史的な水準と比較していると述べた。そして米国の株式市場が史上最高水準にあることについて、現在の株価がその歴史的水準から乖離しているかとの質問に対しては「そのようには見ていない」と答えた。筆者も同意見である。 30銘柄の単純平均であるダウ平均よりも、主要500社の時価総額加重指数であるS&P500のほうが、より広範に米国株式市場を表すと考えるので、ここからは同指数を使って説明したい。S&P500はリーマンショックから半年後の09年3月末には800ポイントを割り込む水準だった。直近では2千ポイント目前まで上昇、この間実に株価は2・5倍になった。一方、S&P500の1株当たり利益(四半期ベース)は同時期に12・83から29・05へと2・3倍になっている(トムソン・ロイター調べ)。ここから言えるのはこの間の株価上昇は、ほぼ利益の伸びに沿ったものであったということである。上昇率は若干、株価のほうが大きいので、利益に関するバリュエーション指標(PER:株価収益率)はやや割高となっているが、歴史的水準から見て問題があるような水準ではない。

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