政治・経済

各省庁の人事に混乱 女性登用の影響も

 安倍政権が掲げる「女性の活躍支援」の歪みが霞が関のあちこちで出始めた。総務省でも内閣府の局長に出向中の女性幹部の本省復帰後のポストに頭を悩ませている。

 普通なら局長昇格すらあり得なかったレベルの職員が、官邸がそこそこの役職の女性を一本釣りした結果、本人も驚く局長ポストを射止めた。他省庁のポストなら人事に大きな影響はないが、復帰後も内閣府のにらみがきくため、無碍な扱いはできないのが悩みの種。本省局長ポストどころか、一説には、次官級の総務審議官昇格という噂まで浮上。人事の混乱に拍車が掛かりかねない状況になっている。

 女性登用と言えば、経産省に官房審議官として出向中に憲政史上初の女性首相秘書官に任命された山田真貴子氏の先行きも総務省で話題となっている。「誰もなったことのないポストに就いたんだから、次官就任は確実」(幹部)とみる向きは多い。しかし、「彼女はスマートに仕事をこなす能吏だがそれだけ。次官の器にはほど遠い」と辛辣な声もある。

 ある幹部は「同期には山田より優秀な人物は何人もいる。女性登用で能力のある男性が適切なポストに就けないのは本末転倒だ」と政権の過度な女性登用施策を批判する。何より女性官僚が「能力がないのに女性というだけで出世しても本人が一番かわいそう」と正論を口にする。能力のある女性にとっても、現政権のこれ見よがしの女性登用の悪影響が懸念される。

 7月4日に決めた官庁人事は11府省庁だが、そのうち法務、経済産業、外務、厚生労働の4省で女性を局長に任命。約210の幹部ポスト全体で15人を登用し、現状の8人からほぼ倍増したことになる。18日には総務省や農林水産省など残りの省庁の幹部人事が発表される予定。

 もっとも官邸は、事務次官人事では財務省は香川俊介前主計局長を、国土交通省は本田勝国土交通審議官を充てるなど、本命を昇格させて、官僚への一定の配慮をみせた。どんなサプライズが出てくるか、幹部は戦々恐々としている。

 もう1つの目玉と謳うのは府省庁の垣根を越えた交流人事だ。生え抜きの職員だけを充ててきた財務省の副財務官のポストには、経産省の職員を登用。財務省から厚労省へ片道切符で「完全移籍」させる人事も行うなど、現状より2人多い53人の交流人事を決めた。

 内閣人事局の初代局長をめぐり、本命視されていた官僚トップの杉田和博官房副長官ではなく、衆院議員の加藤勝信官房副長官が就いたことで、霞が関には政治色が強まり過ぎることへ不安の声も出ていた。

 だが、各省庁の最大の関心事の事務次官人事では、前述のとおり財務省と国交省で、本命を昇格させた。民主党政権のように政治主導をふりかざして官僚と決定的に対立することは避けたかたちだ。18日に予定している総務省や農林水産省など「第2弾」の幹部人事で、サプライズが出てくるかが次の焦点だ。

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