政治・経済

 7月4日、金融庁の幹部人事が発表された。注目の長官人事は、畑中龍太郎長官(1976年旧大蔵省入省)が退官し、ナンバー2の細溝清史監督局長(78年入省)が昇格、監督局長には森信親検査局長(80年入省)と結果だけ見れば順当だった。

 79年入省組の財務省事務次官と金融庁長官が3年離れていた入省年次も1年差まで是正された。入省年次の逆転現象が起きていた三井秀範総括審議官(83年入省)と遠藤俊英総務企画局審議官(82年入省)、池田唯一監督局審議官(82年入省)も三井氏が留任し、遠藤氏が検査局長に、池田氏が総務企画局長に昇任したことで解消された。その結果、桑原茂裕総務企画局長(79年入省)は退官する。

 この人事で、金融庁長官は細溝氏、森氏、遠藤氏と見通せる形となった。総務企画局長は事実上の上がりポストのため、遠藤氏と池田氏の長官レースも決着したと言える。

 ただ、順当に見えるこの人事も紆余曲折があった。複数の金融庁関係者の話では「細溝局長が嫌いな畑中長官は『財務省勤務が長い細溝には任せられない』などと言い4年目を狙っていた」という。ただ、官邸、出身母体の財務省も畑中長官の4年目には難色を示し、有効な人材は使うとして異例の3年目を認めた麻生太郎金融相も今回は続投を認めなかったため実現はしなかった。

 しかし、お気に入りの森氏を次期長官ポストである監督局長に引き上げ、留任も予想された桑原氏を退官させ、総務企画局長は年次が下の池田氏を昇格させ、最低限の布石は打ったという見方が大勢だ。

 「79年入省組は花の54年組といわれ、財務省の木下康司前次官、香川俊介新次官、田中一穂新主計局長に加え、内閣人事局を司る加藤勝信官房副長官がいる。桑原氏を留任させれば、細溝氏が桑原氏を次の長官にしかねない」(政府関係者)からだ。

 当面大きく状況が変わるということはなさそうだが、脱畑中を図る細溝新長官が独自色を打ち出せるのかが注目されそうだ。

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