文化・ライフ

言葉の認知は進めど……

 医者が使う医薬品は、製造元が保有していた特許が切れた段階で、他の医薬品メーカーでも作れるようになる。こうしてできる医薬品が「ジェネリック医薬品」(以下、ジェネリック)だ。この種の医薬品は以前から多く存在していたが、「ジェネリック」の呼称が使われ始めたのは比較的最近のこと。この種の製品を使うときに「一般名(generic name)」が処方箋に書かれていたことから、そう呼ばれるようになった。

 ジェネリックの利点は、もちろん価格(薬価)の安さだ。通常、1つの新薬を作るには10年以上の時がかかり、開発の投資額も数百億円レベルに達する。ゆえに、新薬の薬価はどうしても高くなる。対するジェネリックの場合、既にある技術・情報をベースに医薬品を製造するだけで済む。なので、薬価を低く抑えることができ、例えば、大元の薬(先発品)の薬価が1粒200円だとすれば、ジェネリック版の薬価は100円以下になる。だからこそ、医療費削減を迫られる日本政府は、ジェネリックの普及・使用率向上にやっきになって取り組んでいるのである。

 その努力やテレビCMの効果もあってか、ジェネリックの認知度は確実に高まっている。だが、肝心の使用率はそれほど上がっていない。例えば、ジェネリックの数量シェアは2011(平成23)年9月時点で22・8%。この普及率は、欧米の半分にも満たない低さなのである。

ジェネリックの普及が進まないワケ

 ジェネリックの普及がなかなか進まない理由はいくつかある。中でも大きな理由は、医者や薬剤師がジェネリックに全幅の信頼を置いていないことだ。今日では、先発薬と同等の薬効がなければ、ジェネリックの認可が下りない。そのため、信頼性に対する不安感はかなり払拭されたが、先発品とジェネリックの中身が本当にすべて同じかと言われると、そうとばかりは言い切れない。と言うのも、ジェネリックに使用される添加剤は、必ずしも先発品と同じではないからだ。またその違いが薬の効き方の微妙な差となって現れる場合もある。となれば、添加剤についても先発品と全く同じジェネリックを使いたいところとなるが、それがどれかの情報は今のところ提供されていない。また、ジェネリックについては、原料の産地や製造過程に関する情報もなければ、その明記を義務付ける規制もない。ジェネリックに対する信頼感を増したければ、この辺りの情報不足は改善されて然るべきだろう。

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