マネジメント

 近年、「著作権」を抜きにして企業活動を考えることが難しくなっています。ウェブページの記載から、パソコンで使うソフトウエアに至るまで、至るところで著作権が問題となってきます。

 そこで今回は、「著作権を取り巻く環境の変化」について、著作権法務に激震を与えた事例を基に説明します。

【事例】

 次世代デジタル家電の開発・販売を手掛ける株式会社日本デジタル家電は、インターネット機能付きのビデオデッキ(ハードディスクレコーダー)「ロクラクⅡ」を開発。同レコーダーの貸与・販売はもとより、親機の設置・管理代行のサービスも展開していました。ロクラクⅡのシステムは親機と子機から成り、以下の手順に従うことで、親機で受信したテレビ番組を遠隔地の子機から視聴することが可能でした。

(1)ユーザーが子機を操作し、インターネットを介して録画の指示を出す。

(2)親機は、指示のあった番組を自動的にデジタルデータ化した上で録画する。

(3)録画されたデジタルデータは、インターネットを介して子機に送信される。

(4)ユーザーは、子機を操作して受信したデータを再生し、番組を視聴する。

 ロクラクⅡの使用料金は初期登録料が3千円で、機器レンタル料が月額6500円〜8500円。多少高額のサービスながらインターネットを介して、いつでも、どこからでもテレビ番組が視聴できることから、一定の人気を博していました。ところが、NHKをはじめとするテレビ局が、ロクラクⅡを用いたサービスが、番組に関する著作権等を侵害するとして、親機の廃棄や損害賠償などを求めて提訴したのです。

【解説】

ビジネスモデルの革新性が裏目に

 ロクラクⅡ事件の1審ではテレビ局側の請求が認容されましたが2審で逆転。テレビ局側の請求が退けられました。ところが最高裁で、再度テレビ局側が勝利し、著作権法務に激震を与えたのです。

 ロクラクⅡのサービスは、著作権法が私的利用を目的とした著作物のコピーを許容している点に着目したものです。言い換えれば、ロクラクⅡのビジネスモデルは、著作権法のグレーゾーンを限りなく白に近い形で潜り抜けようとしたモデルだったわけです。それだけに、最高裁の判決に衆目が注がれていたのですが、結果は「ロクラクⅡは違法」。リベラルなビジネスモデルが裏目に出た格好です。

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