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ドライバー不足の対応策「存在意義を伝える」地道な作業は功を奏すか--日本通運

小池俊彦氏

 物流業界でも、運転技術が必要となるドライバーの不足が深刻さを増している。日本通運総務・労働部課長の小池俊彦氏も、ドライバーの募集は地域によって常時行っていることを認める。特に、協力会社の車両が法的に使用できない、現金輸送を主とする同社の警備輸送の分野も、それを担う人員の不足感はぬぐえない。

ドライバー不足の2つの要因とは

 昨今のドライバー不足に影響を与えた要因は2つある。1つは2007年の中型自動車運転免許制度の改正だ。それまでは高卒生を技能職として採用していたが、改正により20歳以上しか受験できないことから高卒採用が難しくなった。もう1つは価値観の変化だ。若年層の車離れが進み、「大型トラックドライバーは稼げる」というイメージはなくなった。

 この状況に特効薬が存在しないのも事実だ。物流業は取引先に合わせて提供するサービスの特性上、ドライバーに限らず、夜間や早朝勤務が避けられず、応募の伸び悩みにつながる。例えば倉庫内作業において、省力を図るための機械化も、法人物流に対応する上で難易度が高い。メーカーの物流では、商品サイクルの早さから商品A向けに作った運搬などに利用する専用機械類が商品Bには利用できないこともあり得る。従って、人間の手を頼らざるを得ない面も多い。

小池俊彦氏

日本通運総務・労働部課長の小池俊彦氏

 日本通運では5月、輸入で使用した海上コンテナを港へ返却せず、輸出のコンテナとして再使用するラウンドユースに向け「輸出入コンテナマッチングセンター」を設立した。これまで輸入に使用するコンテナは配達終了後に港へ返却し、輸出の際は港でコンテナを引き取って集荷しており、東京港周辺ではコンテナの返却、引き取りをするトレーラーの渋滞が慢性化していた。同センター設立は渋滞の解消を主眼とするが、ドライバーの省力にも期待がかかる。しかし、ドライバー志望者を増やすためにはもうひと工夫が必要かもしれない。

 「東日本大震災によって物流業のインフラとしての重要性が見直されました。魅力ある待遇も必要ですが、地道ながらも、この業界の存在意義に対する理解を増やしていくことも必要」と小池氏は話すが、これらの手法が効果を発揮するまでには時間を要する。ドライバー不足解消へ難題が山積みである苦しい胸の内は理解できるが、手遅れとなる前に大胆な策が見たい。

(文=本誌・長谷川愛 写真=佐藤元樹)

 
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