政治・経済

 1カ月ほど前の世論調査では、「強い野党が必要か」という問いにYESと回答した人が50%を超えていた。本来は国会で激論が戦わされるべき集団的自衛権の合憲解釈がすんなり通ってしまった今、そのような有権者の要望はいっそう強まっているだろう。野党結集のキーマン、松野頼久氏は前回「外交、安保では争点を作らない」と明言しているが、官房副長官を務めた鳩山政権では対外政策にも深く関与していた。今回は、実際の日米関係や対アジア関係は当時どうだったのか、そして与党との対立軸となる内政問題では、何がポイントになるのかを聞いた。

松野頼久

松野頼久(まつの・よりひさ)
1960年熊本県山鹿市出身。慶応義塾大学卒業後、日本新党職員、新進党職員、細川護煕総理秘書を経て2000年衆議院議員初当選。現在5期目。民主党筆頭副幹事長、議院運営委員会筆頭理事、内閣官房副長官を歴任。12年日本維新の会結党後に国会議員団幹事長就任。

決して悪くなかった鳩山政権と米国の関係

徳川 同じ民主党政権でも、鳩山内閣の時には今にも日中同盟ができそうだったのに対して、野田内閣の時には今にも日中戦争になりそうでした。この振れ幅の根っこにあったのは、外交問題こそ多くの政治家がいちばん熱い思いを持っている政策領域だという事実です。ですので、外交・安保を争点にしない、対立軸にしない、という努力目標は結構ですが、現実的には難しいのではないでしょうか。

松野 55年体制を見ると、ソ連とか中国とか社会主義圏の国に対しては、社会党がパイプを持っていた。米国とか西側の国に対しては、自民党がパイプを持っていた。商社などでも、営業する国によっては社会党のパイプを使うこともあるし、自民党のパイプを使うこともあったわけです。これは先人たちの知恵だったと思いますよ。55年体制が崩れると、今度は自民党の中で田中派が中国、福田派は台湾といった具合で、派閥で分けていました。今後はもちろん日米同盟が基軸であることは変わりがないんですが、政権交代を前提として、自民党が米国、民主党がアジアといった切り口、つまり野党政権ならアジアにもっと軸足を置いて、でも自民党は野党の時にも、きちっと米国とパイプを作ってもらう。2つの政党がすみ分けるのがよいかな、と思います。

徳川 実は安倍政権に関して言うと、米国と全然パイプがないのではないかと。特にオバマ政権とは話ができていない。極東情勢にいろいろな思惑を抱いた米国人が変なことを言って、安倍政権が振り回されているのが現状ではないかと思います。あと、民主党にもタカ派の人は多いですから、例えば中国から見て鳩山さんとか、ピンポイントで良い人はいても、党として、というのは難しいと思います。

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