政治・経済

 総務省の事務次官に大石利雄氏(61歳)が7月22日付で就任し、2代続けて消防庁長官からの横滑りとなった。次期事務次官の呼び声が高かった桜井俊総務審議官(60歳)は留任となり、来年昇格の目を残した。

 大石氏は旧自治省出身だが、自治官僚としては珍しく押しが強く、政治家の評価は賛否両論。本来は昨夏に総務審議官から次官に昇格していたはずだったが、菅義偉官房長官と親密な岡崎浩巳消防庁長官(61歳)を抜擢。大石氏は失意の中、岡崎氏の後任として消防庁に出戻ることになった(2005年に消防庁次長だった)。

 桜井氏はアイドルグループ「嵐」のメンバー、桜井翔くんの父親として知られ、写真誌や週刊誌などに登場する有名人。通信行政の専門家で、NTTなど通信事業者や自民党からも評判が良く、旧郵政省時代から「将来の次官候補」と評価されてきた。

 今夏の人事でも前評判が高く、写真誌などで「次期次官確実」などと書き立てられていたが、省内の本人に近い部下の話だと、「あり得ないのに、酷い記事だ」とくさっていたとか。以前から、「退官後はジャズバーでもやりたい」と周囲に語るなど、役所のトップの椅子には頓着がない様子。しかし、自民党中堅議員からは「明るいキャラで、法律に詳しく骨もある」と高評価。大石氏の次の声が早くも聞こえてくる。

 次官待ちポストと言われる総務審議官には、桜井氏のほか、旧行政管理庁出身の戸塚誠氏(60歳)と旧郵政省出身の阪本泰男氏(59歳)が就任した。桜井氏が次官に最も近い位置にいることは一目瞭然だ。しかし、官僚人事の政治主導、女性登用を掲げる自民党のなりふり構わぬやり方は霞が関に不協和音をもたらし、官僚のモチベーション低下を招いている。

 順当と思われる桜井氏の次官昇格も一寸先は闇、ではある。ライバルは意外に、同じ1977年入省でやり手の評価が高い戸塚氏かもしれない。

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