政治・経済

モンゴル大統領(左)と安倍晋三首相

エルベグドルジ・モンゴル大統領(左)と安倍晋三首相(Photo:時事)

 日本とモンゴルの経済連携協定(EPA)交渉が7月22日、安倍晋三首相とエルベグドルジ大統領との首脳会談で大筋合意した。発効にはそれぞれの国の議会の承認が必要で、発効すればモンゴルにとって初の、日本にとっては15件目のEPAとなる。ただ、すべての交渉分野で妥結する完全合意には、まだ3分野の合意が残っている。そのひとつが「資源エネルギーの輸出規制分野」についてだという。

 モンゴルの資源エネルギーで注目されるのが、原子力発電の燃料として使用されるウランだ。その埋蔵量は推定150万㌧以上で世界最大級とされ、日本とモンゴルは原子力発電所と燃料とをセットにして他国に売り込む戦略を進める狙いもある。

 もうひとつウラン関連と言えば、ひそかに進められていたとされる使用済み核燃料や放射性廃棄物をモンゴルに運び、最終処分するという計画だ。2018年に日米原子力協定の有効期限が終了するので、日本はそれまでに核燃料の処分方法を決めなければならない。さらには、原発を再稼働させたい日本政府としても、核燃料の廃棄問題解決への一助になるとされ、「国内の原子力産業の生き残りを懸けた戦略事業」(業界関係者)とも言える。

 だが、経済産業省などはこの計画について、「内陸のモンゴルに核廃棄物を運ぶには陸路しかない。そのためにはモンゴルと隣接するロシアか中国のどちらかを通るしかなく、放射性物質を運ぶには規制や問題も多いため不可能」(経産省幹部)と否定する。11年にはモンゴル国内で計画への反対運動が起こり、政府が否定の立場を表明。計画は棚上げされたとみられている。

 とはいえ多大な利権がからむ資源エネルギー分野。EPA完全合意後に明かされる規制内容にどのような条項が盛り込まれるのかに、多くの注目が集まっている。

 

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