政治・経済

 前編では、小沢一郎氏の政界デビューから自民党政権中枢時代までを紹介した。後半は、最初に自民党を倒して細川連立政権を樹立した時から下野まで、そして民主党政権、日中関係、そして集団的自衛権の問題など、筆者が思いつくままに投げ掛けた問いに、秘話を交えつつ答えてもらった。

小沢一郎

小沢一郎(おざわ・いちろう)
1942年生まれ。岩手県出身。慶応義塾大学卒業後、日本大学大学院を経て1969年、27歳で衆議院初当選。現在15期目。議院運営委員長、自治大臣、官房副長官、自民党幹事長を歴任。新生党代表幹事、新進党党首、自由党党首、民主党代表、国民の生活が第一代表を経て2013年、生活の党代表に就任。

細川政権はもっと持つと思っていた

德川 第1次湾岸戦争を経て、自民党を割って出ることになりました。政治改革と国連軍への平和維持活動への参加が争点だったと記憶しています。あの時、自民党にそのまま留まって、重要な法律を通すという選択肢はなかったのでしょうか。

小沢 直接的にはその2つが大きな争点としてあったんだけど、自民党に留まっていたら、日本の議会制民主主義はいつまでたってもダメだと思った。2大政党制を確立することは政界に入って以来の夢で、誰かがやっぱり、やらなきゃならないというのが根底にありました。自民党にいれば、左団扇で楽だったんだけどね。損得で言えば、損な道を歩いたみたいなものだけれども、僕は後悔していません。

德川 もし自民党に留まっておられたら、今でも最高実力者なんですね。竹下派七奉行も、ほかにも現役の方はおられません。

小沢 多分ね。七奉行どころか、同期生もいないよ(笑)。

德川 1993年には、政権を倒すことに関しては周到だった印象があるんですが、政権を獲ったその後については考えておられたんでしょうか。

小沢 いや、考える余裕なんかないよ。いつも言うんだけど、明治維新の時だって、維新の連中も徳川幕府を倒した後のことを考えていたわけじゃないでしょう。その点はパワーゲームなんだ。

徳川家広

徳川家広・政治経済評論家

德川 細川さんが日本新党をつくったことをニュースで聞いたらしいですが、細川さんとは親しくはなかったんですね。

小沢 知ってはいたよ、彼も自民党時代は田中派だから。普通の会話はしていたけれど、よくは知らない。何かやるっていう話は聞いていたけれど、具体的には分かりませんでしたね。

德川 それから約1年後に細川内閣が発足しました。小沢先生はこの大政変の大功労者だと思うんですが、細川政権はどれくらい持つと思われましたか。

小沢 僕は持つと思った。民主党みたいに、下の雑巾がけをしない人ばかりじゃないから。そんなにひ弱ではなかった。ただ、8党派の連立だから、ガラス細工みたいなところがあった。細川さん、サッと辞めちゃったけれど、あれ、辞めなければ、もっと持ったね。自民党がボロボロになっちゃって、そしてもう一度、新しい自民党が再生してくると。こっちの寄せ集めも、そのうちに、きちっとしたグループにしていく、そういうのを夢見ていた。

德川 私は小沢先生のことは、もっとリアリストだと思っていました。ちゃんと夢で動いていらっしゃるんですね。

小沢 (笑)。

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