政治・経済

 安倍政権の経済政策、アベノミクスを形作るブレーンたちの議論は矛盾している。

 強力な金融緩和によりインフレを起こそうとするリフレ派と呼ばれる彼らは消費税増税に反対している。理由は、強力なリフレ政策により、ようやくデフレから立ち直りつつある景気の腰折れもインフレ期待の腰折れも起こしてはならない、確実に景気が良くなってから、増税をすべきということだ。

 これは明らかな矛盾である。なぜなら、リフレ政策が効果を発揮しているならば、景気の心配はする必要もなく、消費税で景気もインフレ期待も腰折れするはずがない。

 第2に、リフレ政策の効果は、期待の変化にあるのだが、この効果は、変化した瞬間が最も力強い。デフレ期待から脱却したことが革命的な成果であるならば、腰折れを心配する必要はない。

 一方、もし増税による実質所得の減少からの消費の減少が心配なら、有効だと主張するリフレ政策をさらに強化して、もう一度消費を喚起すればいい。

 リフレ派は、リフレ政策の成果を強調するときは、景気がものすごく良くなっていると言い、消費税の議論をするときは、景気は脆い。慎重にいかなければならないという。矛盾だ。

 しかし、実は、彼らの主張は全く矛盾していない。彼らは、実はリフレ信奉者ではなく、ポピュリズム愛好家なのだ。

 リフレ政策とは、誰の懐も痛めず、中央銀行が決意を示すだけで、人々の期待が変化し、陰鬱な世界が終わり、ばら色の未来が広がると主張する。消費税に慎重になるのは、世論が、消費税増税に反対になってきたのに反応しているだけだ。

 一方、世論と首相を味方につけたリフレ派から攻撃されている「反リフレ派」も、矛盾している。景気改善は一時的なもので、期待がしぼめば、景気は元に戻る。しかし、消費税は必要だという。矛盾だ。景気が弱いなら増税には慎重でなくてはいけない。実は、彼らは、反リフレではなく、反ポピュリズムなのだ。

 だから、どちらも間違っている。必要なのは、日本経済の現実と財政状況を直視することである。そのバランスで消費税を考えるべきだ。

 したがって、私は、リフレ政策は効果がなく、日本経済の現状は良いが、消費税増税による駆け込み需要の反動減には注意が必要で、財政問題は深刻であることから、消費税を毎年1%ずつ5年間段階的に上げ、景気に関係なく増税し、景気対策については、別の手段を考えるべきであると主張する。

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