マネジメント

即時償却と株価対策の心得1 高まる「耐用年数短縮化」の声

 久しぶりに会った友達の奥さんに対して、「減価償却がだいぶ進みましたね」と、うっかり口走ってしまい、激しく嫌われた友人がいます。まあ、そんな失礼なことを言えば嫌われて当然。同情の余地はなし、といったところでしょうか(笑)。

 ともあれ、減価償却は、お金の支出を伴わず、経費処理ができる「自己金融」と言えるものです。現在、法人税率の引き下げが話題となっていますが、この減税措置にプラスして、「減価償却の耐用年数も短くしてほしい」といった声が多く挙がっています。

 過去20年間のデフレによって、企業は設備投資を控えてきました。そのため、多くの設備が老朽化しています。ですから、耐用年数の短期化は設備投資の大きな誘因になるはずです。

即時償却と株価対策の心得2 インパクト大の即時償却制度

 太陽光パネルの即時償却制度(2015年3月で廃止)は、太陽光発電ブームを加速させました。これと同様の制度として注目すべきなのが、「生産性向上設備等投資促進税制」です。これは、「青色申告法人が特定期間内に生産性向上設備等を取得し、国内にある法人の事業用に供した場合(貸し付けは除く)、即時償却、あるいは税額控除5%が選択できる」という制度です。

 設備の種類によっては、工業会の証明書や経済産業大臣の確認などが必要になりますが、企業の経営・税務的にかなり大きなインパクトがある優遇税制と言えるでしょう。

即時償却と株価対策の心得3 即時償却による株価対策

 「生産性向上設備等」の即時償却は、事業承継における自社株の引き下げ対策にも応用できます。例えば、自社株評価における類似業種比準価額の計算--つまりは、業種の類似する大会社の平均株価に比準させて、会社の株式価格を求める計算式--では、1株当たり利益金額が全体の5分の3を占めます。ですから、「生産性向上設備等」の即時償却により、1株当たりの利益金額が減少し、結果として、自社株評価を引き下げることが可能になるのです。

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