政治・経済

アベノミクスの成長戦略に一定の前進

 先頃、アベノミクスの第3の矢である経済成長戦略の新たな部分が、「日本再興戦略」の改訂版として発表された。

 昨年打ち出された「日本再興戦略」において積み残された課題に対し、一定の前進があったと評価されている。

 まず、税制改革については、国・地方を合わせた法人実効税率を2015年度から下げはじめ、数年で20%台にするとのことである。

 現在の高い法人税率が、わが国の競争力を弱め、FDI(外国直接投資)が伸びない理由にもなっていたのは周知のとおりである。できるだけ速やかに引き下げが行われ、今後はさらなる引き下げについても検討がなされるべきであろう。

 規制改革については、農業の分野でかなりの前進がみられた。JA全中の権限縮小をはじめ、JA全農の株式会社化などが盛りこまれた。

 医療の分野では、患者の同意に基づく混合診療「患者申し出療養制度」が16年度をめどに新設されることが決まった。

 雇用については、年収1千万円以上の専門職に、時間でなく成果で測る働き方を導入することになった。16年度の施行を目指している。

 企業の健全な成長を進めるために、コーポレートガバナンスを強化することの必要性も指摘されている。ごもっともな指摘である。

 コーポレートガバナンスとは、一方において強力なリーダーシップのある経営者が存在し、他方では、その経営者をチェックするための社外取締役を中心とした体制がつくられていることを意味する。単なる欧米の制度のコピーではなく、日本企業の現状に適したものがつくられなければなるまい。

成長戦略の具体的な成果を

 サービス産業の生産性向上や女性の活躍推進も戦略の中心にすえられている。日本は既に人口減少、少子高齢化の時代に突入している。もちろん、人口減少に歯止めをかけるための政策が実行されなければならないが、当分の間、人口が減少しつづけることを前提にしなければならないことも事実である。

 その場合、労働人口が減りつづける中で経済成長を続けるためには、サービス産業の生産性向上と女性の活躍推進は必要不可欠なものになる。

 国民総生産の70%を占めるサービス産業の生産性は、わが国の場合米国の半分程度にとどまっており、改善の余地が大きい。また、労働人口が減少する中、高齢者の活用も必要となるが、女性の活躍の場を広げる余地も大きいと思われる。

 安倍首相は「経済の好循環を力強く回転させ景気回復の実感を全国津々浦々に届けるのがアベノミクスの使命だ。すべては成長戦略の実行にかかっている」と訴えている。

 首相の力強いリーダーシップが発揮されることにより、経済成長戦略が順調に作動し、具体的な成果が生まれることを期待したい。

 

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