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ハウスメイト創業40年 賃貸管理業のこれから--井関 清・ハウスメイト最高顧問、江連三芳・ハウスメイトグループ代表

井関 清最高顧問

 賃貸管理、仲介を行うハウスメイトグループは今年で創業40年を迎える。賃貸管理業という業種がなかった1974年、井関清最高顧問が立ち上げた企業は、いかにして成長したのか。井関氏と江連三芳グループ代表、ハウスメイトパートナーズ社長に聞いた。

井関清氏が語る ビジネスモデル構築に明け暮れたハウスメイト創業期

 ハウスメイトグループは1974年、井関商事として創業した。当時は、農業協同組合の組合員が資産運用する際に、各ハウスメーカーと協力してアパート経営を推進していた。メーカーには建築のノウハウはあるが、竣工前に入居募集や入居後のフォローにかかわる体制がなかった。そんな時に井関氏は、大和ハウス工業に勤務していた高校時代の同級生の依頼でアパート運営事業を始めた。井関氏は当時をこう振り返る。

 「当社は現在、2123人の社員を抱えるまでになりましたが、友人の『やってみないか』という言葉がなければ今はありません。運があったのですね。当時の神奈川県経済農業協同組合連合会(農協組合員による組織)から管理指名を受け、大和ハウス工業の賃貸アパートの指定会社として管理戸数を増やし、経営を軌道に乗せることができました」

井関 清最高顧問

井関 清最高顧問

 創業当時は賃貸管理業というものはなく、手探りでビジネスモデルを確立していった。一括借り上げ、集金管理といったシステムを作り、オーナーの負担を減らすため、入居募集からクレーム対応まで行った。創業10年目に入社した江連氏も日本の経済成長と共に歩んだ同グループの歴史を振り返る。

 「創業期は4人しかいなかった社員が昼夜問わずトラブルに対応し、徐々にノウハウを蓄積しました。昭和50年代後半頃から税務対策で賃貸物件を利用する認識が世間に広がって同業者も増加しましたが、その頃には既に、当社には賃貸管理の仕組みが完成していました」

 井関氏は2001年の公益財団法人日本賃貸住宅管理協会設立にも尽力。これにより賃貸管理業がさらに広く認識された。同業者も物件着工件数も増加した一方で、最近は空き家が増えるなど、創業時とは住まいにまつわる状況は大きく変化した。

 「業界が大きくなった一方、人口は今後減少する。そうすると同業者同士で入居者の取り合いになります。以前は賃貸物件が建ち、オーナーのニーズを考えていれば自然と満室にすることができましたが、今は入居者のニーズを考えなければいけない時代になりました」(井関氏)

時代の流れに合わせたハウスメイトの変革と井関清氏の思い

 同社は物件の居室などの壁紙や照明器具を入居者が自由に選べる、賃貸カスタマイズサービス「rashiku」を導入。入居者のニーズに合わせることで物件の付加価値を加える。

 「リフォームやリニューアルだけでなく、物件周辺にある生活情報なども丹念に調べ、それを入居希望者に提供することも物件の付加価値を上げるためには重要だと考えています」(江連氏)

 入居希望者の要望に沿う物件を提供することが可能なのは、管理物件を仲介する店舗を持つからである。現在全国に185の店舗を展開しており、転勤などによる住み替えに対応できるネットワークを築いた。こうして、入居希望者のニーズとオーナーから預かった物件のマッチングを図り、収益性を高めた。

 今後は、全都道府県にネットワークを拡大する方針で、今年は新たに沖縄に拠点を置く。また国内にとどまらず、台湾など海外の拠点展開に向け最終調整段階に入った。同社は現在2千社以上の法人提携を結び、社宅代行を行う。その中で海外に拠点を持つ企業のニーズに応えるため、ネットワークを世界に広げる方針だ。

 「海外拠点で物件情報などを集約します。日本にある店舗網と海外拠点、法人提携企業2千社の連携で、時代の流れを汲み、物件を提供していきます。また海外拠点があれば、日本人留学生向けの物件仲介の機会拡大にも期待できます」(江連氏)

 創業当時から「従業員が働きやすい環境をつくり、従業員満足を志した経営」を行ってきた同社としては、海外拠点が社員の賃貸管理のノウハウを発揮する場となることにも期待している。

江連三芳グループ代表

江連三芳グループ代表

 相続税増税対策で、資産を現金から不動産に移行させる流れもあり、賃貸管理業に注目が集まる。インフレなら分譲物件を購入しても価値上昇が見込めたが、現状での期待は薄い。

 「賃貸のほうが、懐具合がいいと考えられるお客さまは増えています。また賃貸物件を腰掛ではなく定住する場所と考える時代へと変化し、戸建賃貸なども増加しています。借り手、オーナーのニーズに対して質の高いサービスを提供する管理会社でありたいと思います」(江連氏)

 20年の東京五輪に向け建設ラッシュが続く。一方で総務省は7月末、住宅・土地統計調査を発表、13年の空き家数は820万戸と、5年前から8・3%増加した。その中で住まいへの多彩なニーズをマッチングできるのか。厳しい時代に向けて、創業者の井関氏は「結局、企業は『人が命』。社員一丸となり、お客さまから愛される会社であり続けてほしい」と語る。賃貸管理業の先駆者として、さらなる歴史を築いていかなければならない。

(文=本誌/長谷川 愛 写真=佐藤元樹)

 
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