テクノロジー

 特に日本では、アドレスの直打ちではなくポータルサイトの検索からお目当てのサイトにたどり着くユーザーが多いため、文字列をカテゴリーで登録する、塚原氏の表現を借りれば「面を取る」ことが非常に重要だという。今年4月7日から6月6日までに行われた「.tokyo」の商標権者向け優先登録では、ぐるなび、東急電鉄、はとバス、日立製作所など数多くの有名企業が登録した。優良なドメインに対する企業の注目度が高まっていることがうかがえる。

ドメインの重要性について意識を変えていく

 GMOインターネットグループには、1990年代後半に開始したICANN公認レジストラの「お名前.com」をはじめ、いくつかのドメイン登録サービスがあるが、製造業でいう卸しがなかった。そこでEコマース市場の拡大を睨み、「.shop」のドメインを獲得する目的で09年にGMOドメインレジストリは設立された。

 ドメイン購入者はウェブサイトを持つためにレンタルサーバーを利用するほかショッピングサイトを開設したり、そこで決済手段が必要になったりと、さまざまなサービスがドメインを起点に広がっていくことになる。つまり、インターネットの領域において、レジストリはいわばエントリーポイント。同領域の川上から川下まで押さえる上で、非常に重要な役割を果たす。現在、同社では「.tokyo」のような地理的名称TLDのほかにも、「.shop」、「.mail」、「.inc」などをICANNに申請中だ。

 今後の課題について塚原氏はこう語る。

 「ドメイン登録数は、その国の人口と経済規模にある程度比例していて、例えばドイツで約1540万件、イギリスでは約1050万件、フランスでは約260万件もあります。一方、これらの国々をGDPで上回る日本では今のところわずか133万件程度しかありません。つまり、日本にはドメインビジネスに関してものすごいポテンシャルがあるということです。この潜在市場をどう呼び起こせるかが課題です」

 ドメインへの理解を広めるために、今後はPR活動にも力を入れていくという。

 「日本人のネット利用者は多いし、リテラシーも高い。下地は整っているので、あとは人々の意識をどう変えていくかだと思います。そのためにも『.tokyo』を1つのキッカケにできればと考えています」と、塚原氏は言う。

(文=本誌編集長/吉田 浩)

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