国際

オバマ米大統領は今年の2月20日、国内の地方テレビ各局とのインタビューに応じ、当時間近に迫っていた3月1日に発動期限が迫る850億㌦規模の歳出強制削減を回避するため、共和党に一段と圧力をかけた。

 何だか今回のデフォルト問題に似ているが、米国では最近小刻みにこの問題が繰り返している。

 当時オバマはABC系列でボストンに本拠を構えるWCVBとのインタビューで「これら自動的な歳出削減は回避される計画だった。このアイデアでは、民主党と共和党が合理的な財政赤字削減プログラムで協力することを見込んでいた」と述べた。この他、ボルチモア、オクラホマシティ、サンフランシスコ、ホノルル、サンアントニオ、サウスカロライナ州チャールストン、カンザス州ウィチタの地元テレビ局とのインタビューに応じた。

 あれから半年。

 債務上限の引き上げ期限が10月17日に迫る中オバマは再び地方テレビのインタビューに応じ、引き上げ期限や政府機関の一部閉鎖の影響などについて語った。

 そしてオバマは10月15日、ニューヨークの地方テレビWABCのダイアナ・ウイリアムズによるインタビューで、

「大統領でいることで最もクールなことは何か」と聞かれた。

 キャスターのダイアナは自身の娘の質問として、

“the coolest thing about being president was being friends with entertainment power couple Beyonce and Jay-Z?”

〈大統領でいて最もクールなことは、(歌手の)ビヨンセとジェイ・Zのカップルと友達でいられることか〉

 と質問したのである。

 ビヨンセとジェイ・Zは夫婦だ。夫のジェイ・Zはオバマ大統領の選挙キャンペーンで支援金を集めた。彼はオバマと親交があることをこう語った。

“Yeah, I’ve spoken to him on the phone and had texts from Obama, of course,”

〈電話でもオバマと話すし、携帯メールも交わすよ、もちろん〉

 オバマがジェイに金銭的なサポートを受け、一方のジェイは大統領の権威を借りる。有名人を利用すれば有名人に利用される。そういうものだろう。

 一方、妻のビヨンセは大統領の2期目の就任式で国歌を斉唱した。が、このビヨンセの国歌斉唱が口パクと暴露された。

 口パクは、英語でlip-synchingと言う。

“By lip-synching the national anthem, Beyonce has cast a dark cloud over the President’s second term,”

〈国歌斉唱を口パクで行ったことにより、ビヨンセは大統領の2期目に暗雲を立ち込めさせた。〉

  と言ったのはケンタッキーの上院議員ランド・ポールである。

“The only way President Obama can remove that cloud is by resigning from office at once.”

〈この暗雲を追い払うにはオバマ大統領は直ちに大統領の椅子から去らねばならない〉

 と極端なことを言った。

さて、地方局での「大統領でいて最もクールなことは、(歌手の)ビヨンセとジェイ・Zのカップルと友達でいられることか」という質問に対してオバマは、

“That is a view shared by Malia and Sasha”

〈(娘の)マリアとサーシャもそういう風に考えています〉

 と笑って話した。

“For me, I think the coolest thing is that if there is somebody interesting who’s doing anything – a scientist, a sports figure, a writer, anybody in the world – if I want to call them up … they will answer my phone call. That’s a pretty cool thing,”

〈私にとって最もクールなことは、例えば誰か興味深い何かをしている人がいれば、それが科学者であれ、スポーツ選手であれ、作家であれ、世界の誰であれ、私が彼らのうちの誰かに電話をするとすれば、答えてくれるということです。それはとてもクールなことです〉

 クールcoolとは、ここでは、素晴らしい、というような意味である。かっこいい、という意味で使われる場合もあるし、落ち着いた、という意味で使われることもある。まあいい、という状況を表す場合もあるから前後の文脈で意味は随分と変わる。“cool” peopleというと興味深い人々とか、かっこいい人々、話題の人々となる。

“During the past several months, Obama has welcomed to the White House a host of “cool” people, including the Baltimore Ravens, the current National Football League champions, “Star Wars” creator George Lucas, singer-songwriter Carole King, and author Joan Didion.”

〈ここ数カ月でオバマはボルチモア・レイブンズやナショナル・フットボール・リーグのチャンピオンやスターウォーズの作者ジョージ・ルーカスやシンガーソングライターのキャロル・キングや作家のジョーン・ディディオンら話題の人々をホワイト・ハウスに招いている〉

[今号の英語]for all the tea in China
 中国のお茶を全部くれるとしても、という意味だが、つまり、どんなに金を詰まれても絶対に~しない、という場合に使う英語である。
 昔、お茶というものは貴重品だった。だから、どんなにお茶を積まれても首を縦に振らない、というような文脈で使う。
 誰もが自分の電話を取る、という上記のオバマの発言記事に対してこういう一般人からの書き込みがあった。
“I wouldn’t take a call from this buffoon for all the tea in China.”
〈この愚か者から電話がきたら、僕はたとえ中国中のお茶を積まれたとしても答えないね〉
 同様の趣旨のコメントは5件。最近のオバマの人気がうかがえる。

 
経済界 電子雑誌版のご購入はこちら!
雑誌の紙面がそのままタブレットやスマートフォンで読める!
電子雑誌版は毎月25日発売です
Amazon Kindleストア
楽天kobo
honto
MAGASTORE
ebookjapan
 

雑誌「経済界」定期購読のご案内はこちら

経済界電子版トップへ戻る

関連記事

好評連載

グローバルニュースの深層

一覧へ

習近平政権下の中国経済と新時代の到来

[連載] グローバルニュースの深層

グローバルニュースの深層

[連載] グローバルニュースの深層

原油事情に関するロシアの分析

[連載] グローバルニュースの深層

プーチン露大統領の内外記者会見

[連載] グローバルニュースの深層

中間選挙後の米国を展望する

[連載] グローバルニュースの深層

中国を制するものは世界を制す

変貌するアジア

一覧へ

鴻海によるシャープ買収のもう1つの狙い

[連載]変貌するアジア(第37回)

変貌するアジア

[連載]変貌するアジア(第36回)

SDRの一翼を担う人民元への不安

[連載]変貌するアジア(第33回)

開催意義不明の日中韓首脳会議

[連載]変貌するアジア(第32回)

朱立倫の総統選出馬と台湾海峡危機

津山恵子のニューヨークレポート

一覧へ
無農薬野菜

[連載] 津山恵子のニューヨークレポート(第20回)

CESの姿が変わる花形家電よりもネットワークに

[連載] 津山恵子のニューヨークレポート(第19回)

米・キューバ国交回復のインパクト

[連載] 津山恵子のニューヨークレポート(第18回)

クリスマス商戦に異変! 店舗買いが消え行く

[連載] 津山恵子のニューヨークレポート(第17回)

格差問題が深刻化する米国―教育の機会格差解消にNY市が動き出す

ビジネストレンド新着記事

注目企業

一覧へ

次なるステージを駆け上がる日本電子「70年目の転進」–日本電子

 最先端の分析機器・理科学機器の製造・販売・開発研究等を手掛ける日本電子(JEOL)は、ノーベル賞受賞者を含むトップサイエンティストや研究機関を顧客に、世界の科学技術振興を支えてきた。足元の業績は2019年3月期で連結営業利益、同経常利益、同最終利益がいずれも過去最高を更新。かつては技術偏重による「儲からない…

独自開発のホテル基幹システムで業務効率化と顧客満足度を向上–ネットシスジャパン

逆転の発想で歴史に残る食パンを 生活に新しい食文化をもたらす–乃が美ホールディングス

新社長登場

一覧へ

森島寛晃・セレッソ大阪社長が目指すクラブ経営とは

前身のヤンマーディーゼルサッカー部を経て1993年に創設されたセレッソ大阪。その25周年にあたる2018年12月に社長に就任した森島寛晃氏は、ヤンマー時代も含めて通算28年間セレッソ一筋、「ミスターセレッソ」の愛称を持つ。今も多くのファンに愛される新社長が目指すクラブ経営とは。聞き手=島本哲平 Photo=藤…

森島寛晃・セレッソ大阪社長

カリスマ創業者の後任として描く「新しいマネックス証券像」― マネックス証券社長 清明祐子

「若者需要の開拓でビール市場を盛り上げていく」塩澤賢一(アサヒビール社長)

イノベーターズ

一覧へ

非大卒就職マーケットの変革に挑む元教師の挑戦―永田謙介(スパーク社長)

日本企業の年功序列と終身雇用が崩壊に向かう中、制度を支えてきた大学生の新卒一括採用の是非もようやく議論されるようになってきた。一方、高校卒業後に就職する学生のための制度は旧態依然とし、変化の兆しがほとんど見えない。こうした現状を打ち破るべく、非大卒就職マーケットの改革に挑戦しているのがSpark(スパーク)社…

起業家にとって「志」が綺麗ごとではなく重要な理由―坂本憲彦(一般財団法人立志財団理事長)

勉強ノウハウと法律知識で企業の「働き方改革」を促進する―鬼頭政人(サイトビジット社長)

大学の挑戦

一覧へ

専門分野に特化した“差別化戦略”で新設大学ながら知名度・ブランド力向上を実現――了徳寺大学・了徳寺健二理事長・学長

2000年設立で、了徳寺大学が母体のグループ法人。医療法人社団了徳寺会をグループ内に持つ。大学名の「了」は悟る、了解する、「徳」は精神の修養により、その身に得た優れた品性、人格を指す。「了徳寺」は人間としての品性、道を論す館の意味を込めた大学名だ。 聞き手=本誌/榎本正義 、写真/佐々木 伸 …

大学の挑戦

創立100周年、西南学院大学・K.J.シャフナー学長「世界に貢献しインパクトを与える人材を育てる」〜国際交流・就職支援・インターネット出願〜 

「“STAND BY YOU”のスローガンの下、学生一人ひとりに寄り添う教育を」――中央学院大学・佐藤英明学長

経済界からのお知らせ

最新号のご案内

経済界2020年6月号
[特集] 人材輩出の「新御三家」
  • ・[サイバーエージェント]経営人材を育てる方法 研修より緊張感ある現場経験
  • ・中山亮太郎(マクアケ社長)
  • ・大竹慎太郎(トライフォート社長)
  • ・塚原文奈(ストアーズ・ドット・ジェーピーCEO)
  • ・[楽天]ベンチャー精神は創業者が体現する
  • ・体育会的ノリと目標必達の企業風土が育てた起業家群
  • ・[DeNA]意志と情熱を後押しする人材育成術
  • ・橋本 舜(ベースフードCEO)
  • ・鈴鹿竜吾(ライトマップ社長)
[Special Interview]

 飯島彰己(三井物産会長)

 人が成長するために必要なこと

[NEWS REPORT]コロナ禍後の経済地図を読む

◆避けられない合従連衡 日の丸電機の進むべき道

◆自動車業界は大再編必至 生き残れるのはどこだ!

◆存続の危機を迎えた百貨店 小売り業界のEC加速が止まらない

◆“会わずに診る”コロナで広がるオンライン診療

[特集2]

 社長のセルフブランディング

 第一印象/SNS・ネットツール活用/言葉の力/プレゼン技術

 [特別インタビュー]友近(お笑い芸人)

 最強のセルフブランディング術「憑依芸」を語る 

ページ上部へ戻る