政治・経済

 来年10月に消費税率を予定通り10%に引き上げるかをめぐり、内閣府内に慎重論が浮上してきた。これまでは予定通り実施すべきとの認識を共有してきたが、消費税率を8%に上げた後の4〜6月の国内総生産が東日本大震災以来の大幅減となり、消費増税の影響力をあらためて思い知った向きがあるためだ。ただ再増税を見送った場合、財政への信認が揺らぎ金利の急騰を招くリスクもある。消費再増税に対する見方は、府内でも割れている。

 「(消費税)引き上げの影響を乗り越える経済の力強さがあることが大事」。甘利明経済再生担当相は8月20日、NHK番組の出演後、消費税再増税の決断をめぐっては景気の回復ぶりが大きな要素になると記者団に対して強調した。甘利氏は、予定通り税率を10%に上げることが最善としながらも、経済の足腰が弱ければ見送りも選択肢であることを認めた格好だ。

 財政への配慮から引き上げは必要としてきた甘利氏が、再増税に慎重な見方を示すのは、4〜6月期の景気が想定以上に悪かったためだ。政府は同期の国内総生産(GDP)の成長率が実質年率換算で5%程度の減少になると予想していたが、結果は6・8%の大幅減。消費が5%減と過去最大の落ち込みを記録するなど予想以上に回復が遅かった。増税前の駆け込み需要とその後の反動減で景気が冷え込んだのを教訓に今回は自動車や住宅などで対策を講じたにもかかわらず、ここまでの消費の落ち込みは想定外となった。このため「消費税率を8%から10%にして、景気が冷え込み税収も落ちれば意味がない」(内閣府幹部)との見方も広がっており、首相が12月に行う再増税の判断は、難しいものとなるのは確実だ。

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