政治・経済

 財務省が発表した7月の貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は9640億円の赤字で、25カ月連続の貿易赤字となった。自動車や工作機械の輸出が増えたことを背景に、輸出額は前年同月比3・9%増と、3カ月ぶりのプラスに。アジア向けが好調で、今後、政府が思い描く輸出主導の景気回復を実現できるのか、注目される。25カ月連続の貿易赤字は、最長記録の更新。液化天然ガス(LNG)、ナフサといった燃料の輸入が増えた。

 輸出額は6兆1886億円となり、前年同月を超えた。大きかったのは、アジア向けが前年同月比3・4%増の3兆3308億円となり、持ち直しをみせたことだ。中国、東南アジア諸国連合(ASEAN)への自動車などの輸出が伸び、アジアの消費回復をうかがわせた。輸出の伸びは、日本の景気の先行きにとって明るいニュースとなる。

 政府は足元の景気について、7月の月例経済報告の景気の基調判断を引き上げるなど強気だ。4月の消費税増税前の駆け込み需要の反動減による影響が薄れ、個人消費が回復してきたとみているからだ。

 とはいえ、全国の百貨店とコンビニエンスストアの既存店売上高が7月まで4カ月連続で前年を割り込むなど、消費の強弱は分野によってまちまち。公共投資や設備投資も低調だ。内需に不安が残る中で、輸出への期待は否が応でも高まる。政府は「緩やかな回復に沿って輸出が伸びていくという考え方に変わりはない」(麻生太郎財務相)という姿勢を貫いている。

 ただ、日本の製造業は工場の海外移転が進み、円安でも輸出が増えない構造になってきている。イラクやウクライナの不安定な情勢が、世界経済へ及ぼす影響も無視できない。

 政府は景気動向を見据え、12月にも来年10月の消費税増税(税率8%→10%)を判断する。もし輸出も思ったように伸びなければ、増税への下ならしとして、経済対策などの措置を迫られる可能性がある。

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