政治・経済

 米議会の上下両院が10月16日、来年2月まで連邦政府による国債発行を認める法案を可決し、米政府による史上初の債務不履行(デフォルト)は避けられた。金融市場の大混乱を防ぐため、日本をはじめとする各国が圧力をかけたことが大きい。

「債務不履行になったら、えらいことになる。日本が持つ資産や、経済成長に与える影響は大きい」。麻生太郎財務相は15日の会見でこう述べ、危機感を示した。

 問題の背景にあるのは、オバマ大統領の医療保険制度改革(オバマケア)をめぐる与野党の対立だ。

 国民の医療保険加入を義務付けるオバマケアに対し、下院の多数を占める共和党が反発。17日までに米政府の借り入れ枠(債務上限)引き上げを認めなければ、米財務省は債券を発行できず、資金繰りが行きづまるところだった。

 米国がデフォルトに陥れば、世界経済は株価や金利の乱高下を引き金に、壊滅に向かう。事態を避けるため、日本をはじめとする20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は11日、米国に「緊急の行動」を促す声明を公表。15日には、英米系の格付け会社が、米長期国債を格下げ可能性のある「クレジットウオッチ」にするなど、市場も事態の打開を迫っていた。

 こうした流れを背景に、関連法案は「期限切れ」の瀬戸際で成立し、2月17日まで債務上限の引き下げが認められた。一部閉鎖されていた政府機関も、1月15日までの支出を暫定予算で手当することになった。日本でも「ほっとしている」(全国銀行協会の国部毅会長)という声が上がった。

 だが、この解決策は問題の先延ばしにすぎない。根底にあるのは、上院の多数を民主党、下院の多数を共和党が占めていること。少なくとも、来年秋の中間選挙までは「ねじれ」が続く。政治リスクは大きく、同じ事態が起きりかねない。

 その際、日本は米国に圧力をかけ、説得する上で、どうリーダーシップを発揮するのか。財務省はじめ、政府は知恵を絞る必要がある。

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