政治・経済

間伐材集荷が順調に拡大潤す地域通貨「モリ券」

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 「木の駅プロジェクト」と呼ばれる取り組みが、中山間地を中心に全国各地に広がってきた。この事業は山林に放置された未利用の間伐材を持ち込むと、地域通貨で買い取ってくれ、地域の商店で買い物に利用できるもの。林業の再生と地域経済の活性化を同時に実現する試みで、既に30を超す地域が実施している。

 茨城県北西部、栃木県との県境に山林が広がる常陸大宮市美和地区。ここで2014年5月下旬、木の駅プロジェクトの5期目の木材買い取り事業が始まった。

 事業を運営するのは、地域の民間団体「森と地域の調和を考える会」が中心になって設立した「木の駅プロジェクト美和」実行委員会(龍崎眞一代表)だ。山林所有者などが林地に放置している杉やヒノキなどの間伐材(林地残材)を市内の製材所に持ち込むと、実行委が発行する地域通貨「モリ券」で買い取ってくれる。買い取り比率は林地残材1立方メートル当たり4千円。

 モリ券は商品券として地域の物販店や飲食店60カ所で使える。実行委が買い取った林地残材は製材所を経営する美和木材協同組合が1立方メートル当たり3千円で引き取り、オガ粉に加工して畜産農家やキノコ業者に販売。第5期の買い取り期間は7月末までの約2カ月間で、「200立方メートルを超す間伐材が集まった」とは龍崎代表の説明だ。

 美和地区で木の駅プロジェクトが始まったのが12年春。年2回、期間を区切って買い取りを実施し、第1期(同年6〜7月)では目標の3倍近い277立方メートルを集荷、発行した総額137万円分のモリ券すべてが地元商店街で使われるという成果を収めた。

 集荷は順調で、4期までに累計で集荷木材が970立方メートル、モリ券発行額が368万円に上る。山林所有者からは「山がきれいになった」、「森林整備にヤル気が出た」、商店側からは「新しい客が来た」との声が高まる。地元商店に資金が流れ、地域を潤し元気づける効果は大きい。

 問題は事業収支をいかに改善するかだ。木材の買い取り価格が販売価格より高いので逆ザヤになりやすい。第1期では買い取り価格を1立方メートル5千円に設定したため、赤字を計上した。実行委は、2期目以降の購入価格を1立方メートル4千円に改める一方、間伐材の無料提供を募ったり、ボランティアを育てたりと財源確保に知恵を絞っている。13年度からは広葉樹を加工して薪を製造販売する新規事業も開始。これにより財源の裏付けが一段と強固になった。

 「流れを食い止め、地域の活力が木の駅プロジェクトで上向きに転じた効果は大きい」と龍崎代表は強調する。

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