政治・経済

 2020年東京五輪の主要施設に大量の木材を組み込む――。

 こんな計画が林野庁で盛り上がっている。政府が成長戦略と位置付ける国内林業の発展に向け、国産木材の需要拡大につなげる狙い。特に注目が高い五輪関連施設で国産木材をアピールし、少子高齢化で先細る国内需要を見据え、「林業の輸出拡大にもつなげたい」(林野庁)という。

 林野庁がその〝要〟と位置付けるのが、欧州などで建材として使われる大型集成材パネル「クロス・ラミネーティッド・ティンバー」(CLT)の普及だ。政府は来年度からCLTを量産する企業に補助金を支援する方針で、同時に五輪施設を管理する東京都に対し、競技場や選手村の内外装などでCLTを含む国内木材を活用するよう働き掛ける。

 CLTは木の板を縦横交互に貼り合わせ、分厚いパネル状にした集成材。断熱性や耐火性に優れ、大規模商業施設や集合住宅も建設できる丈夫さを持つ。組み立てが容易で施工時間が短縮できるなどのメリットも多く、コンクリートに替わる建築材料としても期待されている。

 ただ、国内では今年1月に日本農林規格(JAS)品質基準が定められたものの、建築基準法では、建物の資材として認められていない。政府は量産体制の確立でCLTの価格競争力を高めるとともに、CLTを使った建築事例を積み重ね、同基準法の整備を加速化させたい考えだ。

 政府がこれだけ林業に力を入れる背景は、国内の森林資源は戦後造成した人工林が本格的な利用期を迎え、かつてないほど充実してきているからだ。林野庁の調査では、国内人工林で木材に利用可能なものは4割近くあり、2017年には6割に達する見込み。効率よく木材を消費する仕組みを構築しなければ、林業の衰退、さらには山野の荒廃につながると懸念している。

 林野庁はCLTを使い、建築基準法の規制で木造を排除してきた学校や駅、商業施設などの非住宅分野に対し木材の利用促進を図る。その〝きっかけの象徴〟を五輪施設に据える構えだ。

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