政治・経済

 税金の無駄遣いとも言える不要な補助金政策が浮き彫りになった。過疎地で携帯電話が通じるように光ファイバー回線の敷設を促進する総務省の整備事業で、設備を6年以上利用する際に受けられる割引を適用しなかったため、NTTドコモとKDDI、移動通信基盤整備協会が、6年間で補助金計約6億円を過大に受け取っていたことが会計検査院の調査で判明した。

 検査院は「総務省が割引サービスを利用するよう事業者を指導していなかった」と同省の責任を指摘した。しかし、関係者の話を総合すると、そもそもこの補助事業は通信事業者が要望していたものでもなく、予算は確保したものの補助金のニーズは乏しい状況だったという。そうだとすれば、総務省は無駄な補助金政策を維持し、通信事業者に申請するよう押し付けながら、その後の利用状況には無関心だったという、より重大な責任問題が浮上してくる。

 検査院の改善要求を受け、総務省は文書で通信事業者に指導。ドコモとKDDIは契約内容を途中で変更し、余分に受け取った補助金のうち計2億円余りを返還したという。

 携帯電話等エリア整備事業は、過疎地や離島など採算が見込みにくい地域で、通信事業者が基地局と交換局を結ぶ光ファイバー回線などを整備する際に、費用の3分の2を国が補助する。ほとんどの都道府県で行われている。実際には、使用料を払ってNTT東日本と西日本が既に整備している回線を利用する場合が大半。6年以上の利用契約を結ぶと11%の割引サービスがある。

 検査院は2006~11年度の5年間にわたる回線整備事業約590件を調査した結果、10年契約で割引を受けられたのに正規料金を支払っていたケースが約280件あったという。携帯大手3社のうちソフトバンクモバイルは割引サービスの適用を受けていて過大交付はなかった。総務省は「検査結果が出るまでコメントは控える」とし、詳細の検査を始めたが、通信事業者はもともとありがた迷惑な話。「ニーズのない補助金政策の抜本的な洗い出しこそ急務ではないか」と大手通信事業者幹部は冷ややかにみている。

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