マネジメント

経営者にとってはよい「部下」だとしても……

 上司と部下の狭間でさまざまなストレスにさらされていると言われるのが、管理職と呼ばれる人たち。ただ、常に上からの指示にふたつ返事で即答するタイプの人には、注意が必要です。

 経営者から見ると「自分に忠実な理想的な部下」かもしれませんが、そういう人は往々にして、自分自身の部下にも、「上司である自分への忠実さ」を要求します。

 また、よい結果が出せなかった場合は、自分の指示ミスを棚に上げて、その責任をすべて部下に押し付ける場合もあります。そうすると、その理不尽さに現場の社員たちの不満は増大し、極端な場合は、有能な人材の流出という事態にもなりかねません。さらには「パワハラ」の被害を訴えられることもあり得ますから、看過できないゆゆしき問題です。

 子どもの場合も、大人の前ではとてもいい子なのに、友だちに対しては威圧的な態度をとる、というケースがあります。

 子どもが小さいうちは、そのやり方が稚拙なのでその状況を周りが察知しやすく、あまり重大なことにはなりませんが、年齢が上がるほど、知恵がつき、巧妙になります。

 理想的な優等生に見えた子どもが裏では陰湿ないじめをしていた、というのは実はよくある話なのです。大人の前で見せる姿がすべてでないということを、まわりにいる大人たちはもっと認識する必要があると私は切に感じています。

 大人にしろ、子どもにしろ、「アンフェアなリーダー」は、自分の上司や教師との1対1の関係にこだわる傾向があります。1対1との関係というのは、あらゆることを自分の都合に合わせて取り繕うことができますから、彼らにとっては安心なのです。部の成績不振も誰か特定の個人の事情のせいにすることもできます。経営者から難しい要求をされても、あとで部下に無理を強要すればよいだけなので、だからこそ、常に「ふたつ返事」ですべてを受け入れるのです。

「理想的な部下」を演じているその一方で、彼らが「横暴な上司」というもうひとつの顔を持っている可能性を経営者は決して忘れてはいけません。

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