マネジメント

相続税は見えない借金

 日本の地価が高騰していたバブルのころ、地主さんたちを対象にしたセミナーでこう話したことがあります。

 「皆さんが今お持ちの土地の何割かを使って相続税を物納しますと、その土地は当然、国有資産になります。そうした土地を、皆さんは固定資産税を支払って守っている。奇妙だとは思いませんか。将来、国の資産になる土地ならば、逆に管理料を国からもらってもいいぐらいでしょう」

 当時の筆者はまだ若く、この講釈で「相続税」対策の大切さをうまく伝えられると思い込んでいました。が、それはとんだ見当違い。当の地主さんたちは、あまりピンときていなかったようです。

 ともあれ、相続税は、「隠れ債務」であり、「見えない借金」です。自分には借金がないと思っていても、相続させるべき資産があるのなら、相応の債務を背負っていると考えるべきなのです。

相続税は「最高税率」で考える

 相続税を考える上でもう1つ重要なポイントは「最高税率」を意識することです。最高税率とは、累進課税が適用される税において、最も高い税率のことを言います。

 相続税は、ある金額までは○%、それを超えるとその超えた部分については○%というように、階段式に税率が適用される累進課税であり、相続税の総額はその階段ごとに計算された平均税率で求められます。例えば、相続人が子ども2人という前提で、10億円の財産を遺して、ある資産家が亡くなられたとしましょう。この場合、適用される最高税率は50%であり、税金総額は3億7100万円、累進の階段による平均税率は37・1%となります。

 ただし、節税対策で税金がどのぐらい下がるのかを考えるときは、平均税率ではなく、最高税率を適用します。ここが重要なポイントです。つまり最高税率50%が適用される資産家が1千万円分の対策を講じた場合、1千万円の50%要は500万円も税金が安くなるわけです。来年から相続税の最高税率が55%になりますが、節税効果も対策を講じた額の55%になります。

 

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