マネジメント

ハーマンインターナショナルは、JBL、AKG、ハーマンカードン、マークレビンソンなど15ブランドを擁し、世界16カ国で事業展開する世界最大級のオーディオメーカー。新たなチャレンジでオーディオ業界に刺激を与えたいと意気込む仲井氏を直撃した。

カーナビゲーション関連とオーディオ関連を牽引したい仲井一雄氏

仲井一雄

仲井一雄(なかい・かずお)
1953年東京都生まれ。77年慶応義塾大学法学部卒業後、日本精工を経て79年ソニーに入社。カナダやオーストラリア、ニュージーランドに赴任。ソニー・シンガポールでは社長を務める。2009年ソニー・エリクソン・モバイル社長。13年ハーマンインターナショナル社長に就任。電機業界一筋で、主に海外の営業マーケティングに携わる。駐在した国は4カ国、訪問した都市は160を超える。“前年割れしない男”の異名を持つ。モットーは“現場、現物、現実”。

-- 東京ミッドタウンに7月18日、日本初の直営店「HARMAN Store」をオープンしました。

仲井 高度な知識と経験を持つ専門アドバイザーが常駐し、店内には視聴ルームを完備しています。JBLの新世代フラッグシップモデル・スピーカー「Project EVEREST DD67000」などを設置し、驚きとともに感動の高音質を心ゆくまでお楽しみいただけます。優れた音質を知らない若い層に裾野を広げたいと思っています。

-- 日本市場拡大に懸ける意気込みを。

仲井 世界売り上げは5100億円ですが、日本は経済規模に比べてボリュームが少ない。3年で3倍にするというのが私に課せられたミッションです。

-- JBLと言えば高級ブランドとしてブランドが確立していますが。

仲井 われわれの年代には認知されていますが、若い世代の方はほとんどが音楽をヘッドホンで聴いています。オーディオの市場自体も縮小しており、特に高級オーディオは活性化していかなければ先細りになるという危機感を持っています。さまざまな施策を行って拡大していきたい。当社は数々のブランドを展開してヘッドホンやアクティブスピーカー(スピーカー筐体内部にアンプを内蔵したスピーカー)など幅広い商品を訴求しています。これらに共通してこだわっているのが音質で、それぞれのカテゴリーで最高の音質をお届けしていると自負しています。

「HARMAN Store」

東京ミッドタウン内の「HARMAN Store」

-- 扱っているのは15ブランドもあります。

仲井 日本国内ではスピーカーのJBL、ヘッドホンのAKG(アーカーゲー)、ハイエンドオーディオのマークレビンソン、デザインにもこだわったハーマンカードン、ハイエンドスピーカーのREVELが中心で、高級オーディオ製品と若者向けのブランド戦略です。それぞれの顧客ターゲットが異なるので、しっかり浸透させていきたい。

 一方で、全社的にみると当社の一番大きな売り上げはインフォテイメントと言われるカーナビゲーション関連です。こちらはベンツ、BMW、トヨタなど自動車会社各社に導入されており、今の商談は2017年モデルといったようにサイクルが長い。この自動車関連のビジネスを扱う拠点と、家電ビジネスの拠点が国内にあり、双方を見ています。ビジネスのやり方も違うので、頭を切り替えながら取り組んでいます。

仲井一雄氏の戦略 専門性を生かした2分野の体制づくり

「HARMAN Store」では実機を見られるだけでなく、視聴室での視聴も可能

「HARMAN Store」では実機を見られるだけでなく、視聴室での視聴も可能

-- 市場拡大の具体策は。

仲井 六本木の直営店での展開のほか、「HARMAN Owner,s Club」という会員限定のさまざまな特典やサービスを提供。プレゼント情報やモニターキャンペーンの情報など、お得情報を紹介します。CRMとして顧客と直接対話をすることで、いろいろなヒントが見つかることも期待しています。例えばその家族や友人にもしっかり訴求しようとか、顧客情報がきちんと把握されていれば、いろいろなイベントを企画して興味付けをすることも可能になります。営業面では、高級オーディオとそれ以外の担当を分けて、それぞれの専門性を生かした取り組みをする体制にしました。前者は専門店を、後者は量販店をメーンに担当していきます。

-- 前職からは異分野ですが。

仲井 家電、携帯電話ではやり尽くした感があり、新しい分野へのチャレンジと思って大いに張り切っています。

(文=本誌編集委員・榎本正義 写真=佐々木 伸)

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