政治・経済

 ファミリーレストラン大手のすかいらーくが、10月9日に東京証券取引所に上場する。業績悪化で2006年に上場を廃止して以来で、約8年ぶりの再上場だ。好調な株式市場にあって、話題の企業だけに注目が集まる。ただ、人口減少が深刻化する中で、外食産業を取り巻く環境は厳しく、上場後にすかいらーくがどのような成長戦略を描くのかは不透明なままだ。

新規出店による拡大路線の挫折

 今回の上場ですかいらーくは約413万株の新株を発行し、約56億円を調達する。9月19日に公募売り出し価格の仮条件を、1株当たり1200〜1450円に決定。上場時の時価総額は3千億円程度で、約3400億円の日本マクドナルドホールディングスに次ぐ見込みだ。

上場後はデフレ下とは違う店舗展開を求める声も強い

上場後はデフレ下とは違う店舗展開を求める声も強い

 すかいらーくは1970年に、日本における郊外型ファミレスの先駆けとなる「スカイラーク」1号店を東京都府中市に創業。当時経営していた食品スーパーが、大手資本のスーパーの攻勢にあう中で、転業を余儀なくされた中での取り組みだったが、その後外食産業の市場が急激に拡大し、トップランナーの役割を果たしてきた。92年には1千店舗を達成。93年には低価格ファミレス「ガスト」の展開を始めたほか、新興外食の買収による新業態への進出も積極化し、新規出店によって成長するビジネスモデルをとってきた。

 しかし、2000年代に入るとデフレ経済が進む中、日本マクドナルドや吉野家、ゼンショーホールディングスが展開するすき家などの低価格ファストフードに顧客を奪われ、業績が悪化。それでも新規出店を継続し、不採算店舗を増やすという悪循環に陥り、拡大路線のビジネスモデルは行き詰まりをみせた。

 そこで打開策としてとった手段がMBO(経営陣による自社買収)だ。06年、創業家の横川家が野村証券系のファンド、野村プリンシパル・ファイナンスと組んで実施した。2700億円を投じるなど、国内のMBO案件としては過去最大規模。上場廃止してじっくりと経営再建に取り組むはずだった。

 しかし、創業家の横川家が策定した経営再建策がうまく進展せず、社長の横川竟(きわむ)氏が、増資策としてサントリーに第三者割当増資を打診したが、これを事前には知らされていなかった野村プリンシパルが反発。労働組合や融資銀行団も、野村サイドに同調し、横川竟氏は社長解任され、創業家が追放される極めて異例な事態となった。

 後任社長には、生え抜きの谷真常務執行役員が就任し、野村傘下での再建に取り組んだ。09年に、すかいらーくをすべてガストに転換させるなど、大胆な改革が実を結び、業績回復が顕著となった。

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