政治・経済

 9月1日、損保ジャパンと日本興亜損保の合併新会社である損害保険ジャパン日本興亜が始動した。2社統合に向けて周到な準備を重ねてきた同社だが、課題をいかに克服し、今後の展望をどう描いているのか。新会社のスタートを目前に控えた8月22日、新会社の社長に就く二宮雅也氏に話を聞いた。

始動前の準備は万端

二宮雅也

二宮雅也(ふたみや・まさや)
1952年生まれ。兵庫県出身。74年中央大学法学部卒業後、日本火災海上保険入社。秘書室長、常務執行役員、専務執行役員などを経て2011年日本興亜損害保険社長に就任。12年からNKSJホールディングス(現・損保ジャパン日本興亜ホールディングス)会長を兼務。14年9月に始動した損保ジャパンと日本興亜損保による合併新会社、損害保険ジャパン日本興亜社長を務める。

-- 2社統合に向けてやり残したことはありませんか。

二宮 合併を決めたのは2012年3月なので、2年半の準備期間がありました。昨年4月から、実質合併に取り組んできたので、後は社名の変更、看板の架け替えだけです。重い課題としてシステムの統合がありましたが、それも大きな問題はなく順調に来ました。

-- 準備の過程で特に混乱はなかったのでしょうか。

二宮 できるところから支店の同居などを始め、融合、協調を優先して進めました。昨年4月から担当役員、本部長を1will化、つまり意思決定者を1人に絞っていったのも大きかったと思います。

-- 過去、損保ジャパンは安田火災海上保険、日産火災海上保険、大成火災海上保険が統合し、日本興亜も日本火災海上保険、興亜火災海上保険、太陽火災海上保険が統合してできた会社です。これらの統合はあまりスムーズにいかなかったようですが、準備期間を長く取ったのはその反省を踏まえてですか。

二宮 前回のシステム統合の際の作業量をふまえると、今回の開発規模は極めて大きくなることが分かっていましたので、2年半の期間が必要でした。

-- トップレベルでの意思疎通はある程度可能でも、これだけ大きな組織になると、末端の現場まで浸透させるのは難しいのでは。

二宮 2社は常に競争しながらやってきたので、合併が決まったといっても、最初の頃は競争意識が当然あったと思います。しかし昨年4月からは施策も統一し、それぞれの役職で意思決定者も1人にしたことでガラリと変わりました。やはり1つの会社で本部長が2人いて、その下に組織が連なっていると、いくら同じフロアで仕事をしていても本当の意味での協調体制にはなりにくい。昨年10月には部支店長も1人体制、今年の4月には課支社長も1人体制にして、9月1日の合併に備えてきました。前倒しで協調と融和を図ってきた効果が出ています。

ページ:

1

2 3

関連記事

好評連載

深読み経済ニュース

一覧へ

2015年の経済見通し

[連載] 深読み経済ニュース解説

永濱利廣

[連載] 深読み経済ニュース解説

再デフレ化に突入し始めた日本経済

[連載] 深読み経済ニュース解説

消費税率引き上げ見送りの評価と影響

[連載] 深読み経済ニュース解説

安倍政権が解散総選挙を急ぐ理由

[連載] 深読み経済ニュース解説

日銀による追加緩和決定の影響は!?

実録! 関西の勇士たち

一覧へ

ワンマンシリーズ(7)稀有のバンカー、大和銀行・寺尾威夫〈1〉

[連載] 実録! 関西の勇士たち(第20回)

実録! 関西の勇士たち

[連載] 実録! 関西の勇士たち(第19回)

ワンマンシリーズ(6)三和の法皇・渡辺忠雄〈3〉

[連載] 実録! 関西の勇士たち(第18回)

ワンマンシリーズ(5) 三和の法皇・渡辺忠雄〈2〉

[連載] 実録! 関西の勇士たち(第17回)

ワンマンシリーズ(4) 三和銀行の法皇・渡辺忠雄〈1〉

[連載] 実録! 関西の勇士たち(第16回)

ワンマンシリーズ(3)住友銀行に残る堀田の魂魄

ビジネストレンド新着記事

注目企業

一覧へ

刺激を浴びて徹底的に考え抜くことで自らを変革する―― 鎌田英治 グロービス 知命社中代表

「創造と変革」を掲げリーダー教育事業を展開しているグロービス。未来が予見しづらい混迷の時代を迎え、まさに新たな時代を切り拓いていくリーダーが求められている。そのような状況を受けて、グロービスは昨年、新たに執行役員以上に限定したエグゼクティブ向けのプログラム「知命社中」を開設した。[PR]次世代を担う経営リーダ…

ワンストップで手厚くサイトの売却をサポートするサイトマ――中島優太(エベレディア社長)

「支持政党なし」をつくった男のユニークな発想とビジネス――佐野秀光(情報通信ネットワークグループ社長)

新社長登場

一覧へ

「技術立脚の理念の下、付加価値の高い香料を開発します」――高砂香料工業社長 桝村聡

創業から95年、海外に進出してから50年以上たつ国際派企業の高砂香料工業。合成香料では日本最大手であり、国際的にも6%以上のシェアを持つ優良企業だ。100年弱の歴史を持つ高砂香料工業── まず御社の特徴をお聞かせください。桝村 1920年創業ですから、2020年に100周年を迎える香料の専門メーカーです。基本…

桝村 聡

「ネット広告が変わってもクライアント本位の姿勢は変わりません」--バリューコマース社長 香川仁

「最新情報を発信、人と企業の働く環境を良くしていきます」--マンパワーグループ社長 池田匡弥

イノベーターズ

一覧へ

老舗コニャックメゾンがブランド強化で日本市場を深耕――Remy Cointreau Japan代表取締役 宮﨑俊治

フランスの大手高級酒グループ、レミー・コアントロー社の日本法人。18世紀から愛飲されてきた名門コニャックの「レミーマルタン」や世界有数のリキュール「コアントロー」をはじめ、スピリッツやウイスキーなど戦略的なラインアップを日本市場で展開している。同社の宮﨑俊治代表取締役に事業展開について聞いた。 &nbs…

リグナ社長 小澤良介 家具のEC販売から様々な展開へ

内装空間の総合プロデュースで想いをカタチに創り上げる――ユニオンテック社長 大川祐介

大学の挑戦

一覧へ

専門分野に特化した“差別化戦略”で新設大学ながら知名度・ブランド力向上を実現――了徳寺大学・了徳寺健二理事長・学長

2000年設立で、了徳寺大学が母体のグループ法人。医療法人社団了徳寺会をグループ内に持つ。大学名の「了」は悟る、了解する、「徳」は精神の修養により、その身に得た優れた品性、人格を指す。「了徳寺」は人間としての品性、道を論す館の意味を込めた大学名だ。 聞き手=本誌/榎本正義 、写真/佐々木 伸 教育部門と…

大学の挑戦

創立100周年、西南学院大学・K.J.シャフナー学長「世界に貢献しインパクトを与える人材を育てる」〜国際交流・就職支援・インターネット出願〜 

「“STAND BY YOU”のスローガンの下、学生一人ひとりに寄り添う教育を」――中央学院大学・佐藤英明学長

経済界からのお知らせ

最新号のご案内

経済界2018年9月号
[特集]
この夏飲みたい日本の酒

  • ・総論 量から質へ“こだわり”が求められる時代へ
  • ・埼玉・秩父から世界一へ イチローズモルトの奇跡
  • ・家庭でも酒場でもレモンサワーが飲まれる理由
  • ・幕末からよみがえった都心の酒蔵 東京港酒造
  • ・本間哲朗(アプライアンス社社長)
  • ・伊豆で愉しむ野趣なワインと夏の富士
  • ・トップが薦めるこの夏のビール

[Special Interview]

 宮内義彦(オリックス シニア・チェアマン)

 「トップの器以上に会社は大きくならない」

[NEWS REPORT]

◆ヨーロッパに続け! 動き始めた日本の再エネ事業

◆東芝のPC事業を買収し8年ぶりに参入するシャープの勝算

◆日産―ルノー経営統合問題に苦慮するカルロス・ゴーン

◆大阪がエンタメで仕掛けるインバウンドと夜の経済

働きがいのある会社を総力取材

 人材育成企業20

 企業の成長戦略をクローズアップ

ページ上部へ戻る