政治・経済

地域に大幅な権限移譲

二宮雅也-- 2社の統合で、規模のメリット以外にもどんなシナジーが見込めるのでしょうか。

二宮 それぞれ120年の歴史を持つ会社なので、両社のノウハウが一緒になることで、今までできなかったことができるようになります。今まで攻略したくてもパワー不足でできなかったところにも、人、モノ、カネを投入して一挙に攻めることができるようになります。歴史的に損保ジャパンは第二地銀と信用金庫、日本興亜は第一地銀と信用組合など、それぞれが強いマーケットを持っていますし、ネットワークも重なっていません。合併によって、すべての地域の金融機関に強い体制が出来上がります。

-- 各地域における営業体制はどうなるのでしょうか。

二宮 地域の特殊性やニーズに対応していくことが、お客さまの評価を高め、事業拡大につながっていきます。そこで当社では「お客さま評価日本一/No・1」を最重要戦略とし、新会社もまずはお客さまの数を増やすことを基本に置いています。お客さまに近いところでスピード感を持ってニーズに応えるためには、地域ごとに独自の判断を下せる部分を増やすことが大事と考え、今年度から「連邦経営」と呼ぶ自主自立の経営スタイルに変えました。これまでは本社の指示で年間予算や営業拠点、人の配置などを決めていましたが、それぞれの地域性に沿って判断し、実現させるための権限をかなり渡しました。地域が活性化し、地域で存在感を示すことが、持続的成長には必要になっていきます。

 本社から見れば、地域の自主性に任せるのは勇気のいることです。これまでアンケートなどを通じてお客さまのニーズを把握するよう努めてきましたが、やはりお客さまに一番近いところでしか本当のニーズはつかめません。年齢、性別、生活環境、地域特性など、お客さまの属性は地域によって違うわけですから、新しい会社ができるにあたって、それらを的確につかめるように大きく舵を切りました。過去の延長線上では、規模の大きい新会社が持続的に成長するのは難しい。経験則から離れて、2社の知恵をぶつけて挑戦してほしいと社員には言っています。

-- これだけ大きな組織同士の合併となると、人事面での混乱が心配されます。

二宮 12年3月に、合併の発表と同時に人事方針も発表しました。出身母体ではなく、人物本位で、透明性を持った人事運営をしていくという方針を全社に開示しています。グループ人事ビジョンを作って、人物・仕事本位、公平・フェア、オープン、ダイバーシティといった会社の方針を明確に出して進めているので、社内に派閥のようなものはないと思っています。人事判断は、先ほど述べた1will体制になってから増えてきましたが、昨年の実質合併がスタートしてからも、社員から不満が出たり、業務に支障を及ぼしたりするようなことにはなっていません。

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