政治・経済

 輸入車の買取・販売事業で展開するウッドストック。約20年前に事業を始めた動機について「とにかく車が好きだったから」という須知社長は、ITの活用や徹底したアフターフォローで、着実に業績を伸ばしてきた。同社長にその経営手法と今後の展望を聞いた。

須知成裕(ウッドストック社長)

須知成裕(ウッドストック社長)

ネットによる買取と販売を強化

-- 現在の事業環境をどう見ていますか。

須知 アベノミクス効果の上昇気流に乗って、今年2月あたりから当社の中心顧客である高額所得者の方々の購買に勢いが出てきています。事業環境は良くなっていると思います。

-- 売上高は右肩上がりで2008年8月期以降は100億円超を維持していますがその秘訣は。

須知 秘訣は特にないのですが、どんなに景気が悪くなっても仕入れは絶対に減らさない方針でやってきました。また、お客さまとの接点を強化する取り組みを続けてきたことなどが奏功したのでしょう。

 昨年はメンテナンス等のアフターサービスを充実させるために、コールセンターを新たに設けました。例えば、大手ディーラーさんで車を買った方でも、故障した時に代車がなかったり、案内がギリギリになったりといったケースは多々あります。われわれはこうした業者本位のアフターサービスではなくて、お客さまの痒いところに手が届くようなフォローを実現したいと考えています。車検の取り方ひとつにしても、通常は1カ月前ぐらいにお客さまに案内が届きますが、半年前からお客さまとのコミュニケーションを取っていきます。すると、車検以外のさまざまなニーズが出てくることもあり、より密な関係を築くことができます。そのためのコールセンターなのです。

-- インターネットの活用にも力を入れているようですが。

須知 従来はオークションで車を仕入れて、店頭に並べて広告を打つというパターンが多かったのですが、当社では05年以降、ネットによる買取と販売の強化に取り組んできました。ネットの活用によって全国的な対応ができるようになりましたし、今では必ずしも買取店舗を路面店で出す必要もなくなりました。

高価格帯の買取・販売に特化でブランド価値を創出

-- 御社の一番の強みはなんでしょうか。

須知 ここ何年かは、プレミアムブランド的な車種を継続して売る戦略をとってきました。全国広しと言えども、当社のように高価格帯の車種に特化して買取・販売を手掛けているところは多くありません。ブランド価値を作り続けてきたことは大きいと思います。

 さらに、販売・買取・メンテナンスなどあらゆる部分でお客さまを囲い込む仕組みを作り上げてきました。当社では、十数年前から自社で作った顧客管理システムを使っています。これは非常に優れたシステムで、他の業種の方から使わせてほしいという要望があるほどです。

-- もともとシステムを自社開発できるだけの人材は揃っていたのですか。

須知 いえ、揃っていませんでした。ただ、私は以前、英国と米国に住んでいたことがあって、コンピューターとの出合いは早かった。IT業界に興味はなかったのですが、そうした仕組みは必ず日本でも使われるようになると思っていました。以前は人材やインフラなどがそろっていませんでしたが、徐々に日本でも環境が整ってきたので、使えるようになったのです。

 管理ツールそのものはいくらでもありますが、要は管理した上でどう販売を伸ばしていくか。そこにわれわれのノウハウがあります。

-- 社員教育はどのように行っていますか

須知 当社のお客さまは一定以上のステータスの方が多いので、以前はキャビン・アテンダント(CA)の教育プログラムを従業員に受けさせたりしていました。とは言え、作りこみ過ぎたマニュアル一辺倒のサービスではダメ。人間味を感じさせる部分もある程度ないと、お客さまの信用は得られません。そこが難しいところです。

輸入車を代車として貸し出すサービスも

-- 今後の店舗展開は。

須知 店舗数の増加に関してはあまり意識していません。ただ、4年前に始めたレンタカー事業の部分などでFC展開の拡大は考えています。

 損害保険会社に対して輸入車を代車として貸し出す仕組みをつくったのですが、これは世の中にありそうでほとんどないサービスです。背景には、保険会社が顧客キープのためにサービスの充実により力を入れていることがあります。彼らもユーザーとの接点を増やし、サービスを向上させる必要性を感じているのです。

-- 最後に将来の展望をお願いします。

須知 これからモータリゼーションが訪れる新興国にもアプローチしていきたいですね。国によって規制等はありますが、世界中で自動車の流通をもっと自由にやっていきたいという希望を持っています。ネットインフラを利用して、どういう仕組みが作れるかを、考えていきたいと思います。後は個人的にカーレースが好きなので、将来的にはF1に何らかの形でかかわれるような活動をしたいですね。

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