テクノロジー

「金の卵発掘プロジェクト」は、将来の日本経済を背負って立つ人材を発掘し、日本を元気にするためのビジネスコンテスト。惜しくもグランプリ、審査委員特別賞は逃したものの、最終審査への進出を果たした候補者5人を順番に紹介する。

「金の卵発掘プロジェクト」フェイスブックページ

今西翔太郎氏ー「巨人の肩に乗る」

今西翔太郎

今西翔太郎(いまにし・しょうたろう)
1991年生まれ。兵庫県出身。2014年3月神戸大学経営学部卒業。学生時代、バスケットボール部に所属し、選手兼監督としてチームを全国大会に牽引。13年、「金の卵発掘プロジェクト」入賞。14年4月株式会社じげん入社。社内ビジネスコンテスト「ZIGExN EXPO」にて2度の入賞を果たす。

 かねてより出版業界の再販制度に疑問を持っていた私は、「金の卵発掘プロジェクト」を通じて事業による問題解決を目指しました。結果、仕組みとして回すには至りませんでしたが、その過程であらゆる側面から審査員の方々にご指導いただいたことで、多くの気付きを得ることができました。

 私は就職を決心し、「成長産業×成長企業×優秀な同僚」という競争環境に飛び込みました。変化の激しい環境で生残するためには、テクニカルスキルだけでなく、陳腐化しないポータブルスキルが求められます。例えば、「仕組みを創る」というスキルにおいて、孫正義さんは1日1つ事業アイデアを考えておられるそうです。なので、私は、1日に5つ事業アイデアを考えています。

 このように、まずは巨人の肩に乗せていただき、叡智を享受することで、私は先人たちよりも広く遠くの景色を見渡そうと考えています。そうして未来を見据え、時代の根幹となるような事業を創っていきます。

今西翔太郎氏ーまだまだ可能性が見えるIT産業

 私は、次の起業に向けて、どの業界でどのようにして1番を取るか、思案しています。

 例えばIT産業は、まだまだ面白くなっていく余地があると考えています。

 これからITは、IoTやMR、ARに見られるように、リアルとの融合が加速します。しかも、それはモノだけでなく、ヒトにも言えることで、例えばヒトの中にICチップが埋め込まれる日もそう遠くない未来だと確信しています。そうすれば、脳が世界中のデータベースとリンクし、知識の同一化が進むので、かえって個々の思考や感情が今以上に重視され、世界はもっと創造的になります。

 ヒトのIT化・機械化には抵抗感を持たれる方も多いかと思いますが、私はコンタクトレンズを利用するくらい気軽なことになると思っています。実際、米国富裕層の間では、年齢とともに膝や腰の関節を機械化することが一般的になってきていますし、技術的観点からも実現可能性は高まってきていて、体に貼り付けても感じることすらないサランラップの5分の1〜10分の1くらいの厚さの電子回路などが既に存在します。

 また、そうしたさまざまなものをネットにつなごうとする際に障壁となってきた電力供給についても打開されてきています。アンテナに受けた電磁波を反射するRFIDチップのようなタイプのものは、電源が不要なので応用範囲が広い一方、専用の読み取り装置を必要とする欠点がありました。従来はそうしたデバイスをWiFiにつなぐためには電源が必需品でしたが、昨今、通常のWiFiシグナルの反射を利用することで、既存のWiFiネットワークに無電源デバイスからの信号を乗せて送信に成功した事例が出てきています。

今西氏

「“ほかにはない”1歩を踏み出したい」と語る今西氏

 ちなみに、こうした無線給電の技術を一番生かすことができるのは宇宙です。人が乗らない探査衛星は地上と違って電波の出力制限が緩いので、宇宙機の中で電力を出せば受けたい所で受けることができ、狭い宇宙機内の重くて複雑な電気配線をなくせる可能性があります。

 このように、私は、技術や仕組みの本質には汎用性があると思っていて、それをいかに加減乗除するかが勝負の醍醐味だと考えています。また、勝負で圧倒的に勝つためには、「能力×ネットワーク×視座」の3次元空間でいかに戦略的にシナジーを効かせながら立体を最大化するかが鍵となります。ネットの普及によって、多くの人が同じ情報にリーチできるようになった今、自分しか得られないような1次情報を得るためにも、これら3点の重要性はますます高まってきています。

 まだまだ若輩者ではございますが、今後より一層気を引き締め、真摯に精進し、ひいては、必ずこの星の1等賞になろうと思います。

関連記事

好評連載

エネルギーフォーカス

一覧へ

緑の経済成長とエネルギー

[連載] エネルギーフォーカス

Energy Focus

[連載] エネルギーフォーカス

今後、10年後の電力業界の様相(2)

[連載] エネルギーフォーカス

発電単価から既存原発の経済性を考える

テクノロジー潮流

一覧へ

科学技術開発とチームプレー

[連載] テクノロジー潮流

テクノロジー潮流

[連載] テクノロジー潮流

エボラ出血熱と情報セキュリティー

[連載] テクノロジー潮流

21世紀の日本のかたち 農電業と漁電業

[連載] テクノロジー潮流

工学システムの安全について

[連載] テクノロジー潮流

エネルギー移行と国民の価値観の変化

ビジネストレンド新着記事

注目企業

一覧へ

【特集】2019年注目企業30

 2018年の日本経済は、世界のマーケットを席巻してきた中国経済の成長鈍化が鮮明になり、併せて米・中の経済摩擦、英国のEU離脱問題などの対外的な課題が重なって大きな閉そく感が漂う年だった。 しかしながら元気な中堅・中小企業はネガティブな要因をものともせず独自の経営手法で活路を開いている。 原点回帰で、顧客第一…

「超サポ愉快カンパニー」としてワクワクするビジネスサイクルを回す―アシスト

ITと建設機械、グリーンエネルギーの3本柱で地球環境問題解決に貢献する―Abalance

新社長登場

一覧へ

地域に根差した証券会社が迎えた創業100周年―藍澤卓弥(アイザワ証券社長)

中堅証券会社のアイザワ証券は今年7月、創業100周年を迎えた。この記念すべき年に父からバトンを受け継ぎ新社長となったのが、創業者のひ孫にあたる藍澤卓弥氏。地域密着を旗印に掲げてここまで成長してきたアイザワ証券だが、変化の激しい時代に、藍澤社長は何を引き継ぎ、何を変えていくのか。聞き手=関 慎夫 Photo:西…

メディカル事業を横串にすることでシナジーを発揮し、顧客満足度向上へ 伏見有貴(リゾートトラスト社長)

新事業の芽を伸ばすことでさらに大きな個性的な会社を目指す――日髙祥博(ヤマハ発動機社長)

イノベーターズ

一覧へ

ペット仏具の先駆企業が「ペットロスカフェ」で目指す癒しの空間づくり

家族のように接していたペットを亡くし、飼い主が大きな喪失感に襲われる「ペットロス」。このペットロスとなってしまった人々が交流し、お互いを癒し合うカフェが、東京都渋谷区にオープンした。「ディアペット」を運営するインラビングメモリー社の仁部武士社長に、ペット仏具の世界とペットロスカフェをつくった目的について聞いた…

元引きこもり青年が「cluster」で創造する新たなVRビジネスとエンターテインメント(加藤直人・クラスターCEO)

日本人の英語学習の課題解決に向け、学習者目線のアプリを開発―― 山口隼也(ポリグロッツ社長)

大学の挑戦

一覧へ

専門分野に特化した“差別化戦略”で新設大学ながら知名度・ブランド力向上を実現――了徳寺大学・了徳寺健二理事長・学長

2000年設立で、了徳寺大学が母体のグループ法人。医療法人社団了徳寺会をグループ内に持つ。大学名の「了」は悟る、了解する、「徳」は精神の修養により、その身に得た優れた品性、人格を指す。「了徳寺」は人間としての品性、道を論す館の意味を込めた大学名だ。 聞き手=本誌/榎本正義 、写真/佐々木 伸教育部…

大学の挑戦

創立100周年、西南学院大学・K.J.シャフナー学長「世界に貢献しインパクトを与える人材を育てる」〜国際交流・就職支援・インターネット出願〜 

「“STAND BY YOU”のスローガンの下、学生一人ひとりに寄り添う教育を」――中央学院大学・佐藤英明学長

経済界からのお知らせ

最新号のご案内

経済界2019年4月号
[特集]
日本の「食」最前線

  • ・総論 日本の「食」から世界の「食」へ 成長産業となった農水・食品産業
  • ・「食」の輸出1兆円を支えるジェトロの役割
  • ・全国で進むブランド化「食」から始まる地方創生
  • ・上海で見た日本の「食」の未来
  • ・海外進出した外食チェーン「成功」と「失敗」の分かれ目
  • ・日本人が知らない中国の「日本食ブーム」の真実
  • ・消費税引き上げで始まる「外食VS中食」最終戦争

[Special Interview]

 星野晃司(小田急電鉄社長)

 「未来を見据えた挑戦で日本一暮らしやすい沿線をつくる」

[NEWS REPORT]

◆中国リスクが顕在化 電機業界に再び漂い始めた暗雲

◆持続可能な水産業へ 魚はいつまで食べられるのか

◆CES 2019現地レポート 家電からテクノロジーへの主役交代が鮮明に

◆相次ぐトラブルで業績悪化 SUBARUの見えない明日

[総力特集]

 2019年注目企業30

ページ上部へ戻る