政治・経済

甘利明TPP担当相

甘利明TPP担当相

 環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉は日本の参加から1年2カ月が経過した。だが、日米2国間の関税協議が一向に決着せず、越年論も現実味を増している。TPP交渉は秘密協定で締結後4年間の秘密保持義務があり、交渉内容の一部でも明かせば国家公務員法守秘義務違反にかかる。交渉開始当初は各紙が交渉内容に関する記事を乱発させたせいか、最近は交渉筋の口も固くなっている。最近の各紙内容は「交渉漂流」「大筋合意に課題」など横並びで、報道機関も疲弊しているようだ。

 9月23〜24日に開かれたTPP交渉の日米閣僚協議も結局はまとまらなかった。オバマ米大統領は6月、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議が開かれる11月までにTPP交渉を大筋でまとめたいと表明したが、日本の交渉筋は「年内の大筋合意は無理」と言い切る。

 TPP交渉はこれまで、日本が合流した昨年を含め、3度にわたって妥結の目標時期が先送りされてきた。このほかにも、今年4月の日米首脳会談など妥結に向けて重要な節目とされる機会は度々あったが、ことごとく不調に終わった経緯がある。

 その間、各新聞社やテレビ局が「豚肉関税引き下げに合意」「日本が牛肉のセーフガードで妥協案」などの独自ニュースを報じたが、交渉側はそうした内容についても明確な回答は避け、肯定も否定もしない対応に終始している。記者間でも「結局、何が正解か分からない」「各報道機関がオオカミ少年のようになっている」と、ぼやく日々が続いている。実際、ここ数カ月は、どこか1社がTPP交渉に関する独自記事を掲載しても、その他の報道機関がその記事の内容の裏を取り追随することはほとんどない状態だ。

 政府の交渉関係者の最近の愚痴は、甘利明TPP担当相を含め専ら米側の不平不満が中心だ。「覚悟を決めて柔軟性を示したが、それに見合った誠意ある対応が見られなかった」「オバマ大統領は民主、共和両党に何も根回ししていない」などなど……。交渉内容が取材できない中、こんな発言ばかり聞いていれば、さすがに取材する側も滅入ってしまう。

 
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