政治・経済

 2009年の民主党による政権交代直前に結党したみんなの党。2大看板のひとり、江田憲司氏が党を去り、続いて渡辺喜美氏が失脚した後に代表に就任した浅尾慶一郎氏。渦中の浅尾氏に徳川宗家19代の政治評論家、德川家広氏が鋭くせまる。

 前回は、政策論議から入ったので、浅尾氏のクールかつ緻密な頭脳が前面に出てきた格好である。取材して間もなく、みんなの党が再度分裂するかという騒ぎが勃発したものの、最終的には浅尾氏が代表に留任することが決定している。単なる政策通というだけでなく、政局の難所を乗り越えられる手腕の持ち主ということでもあるようだ。今回は、その浅尾氏の心に迫ろうとしている。

エネルギー革命を10年スパンで

浅尾慶一郎

浅尾慶一郎(あさお・けいいちろう)
1964年生まれ。東京都出身。東京大学法学部卒業後、日本興業銀行(現みずほ銀行)に入行。米スタンフォード大学経営大学院卒業(興銀より留学、MBAを取得)。新進党を経て、民主党公認で98年参議院初当選。その後2009年みんなの党結党に参加。同年衆議院に鞍替え当選し、党政調会長、選対委員長、幹事長を経て14年みんなの党代表に就任。衆議院2期(参議院2期)。

德川 もし総理大臣になったら、何を真っ先にしますか。別の言い方をしますと、浅尾さんは今の日本で何がいちばん必要だと考えておいでですか。

浅尾 今の日本が一番必要とするのは夢、希望というものを実現していく意志だと思います。だから、もし私が総理大臣になったら、日本版のアポロ計画をやろうと思う。1961年に、まだ地球の周回軌道を衛星が回ることができない時に、時のケネディ大統領は10年以内に人を月に送るという、大きな夢のある目標を掲げて、現実に69年に、その時ケネディ大統領は既に暗殺されていましたが、宇宙飛行士が月面を歩いています。

 そうは言っても、本家のアポロ計画と同じことをやっても仕方がない。人を月に送るのに、アメリカは今のお金に換算して10年で約10兆円という規模の投資をしています。今の日本でそれくらいのお金をかけてやる、『新・アポロ計画』は何かというと、植物が行っている光合成を人工的に10年以内にできるようにすることが考えられます。これはエネルギー革命であり、環境問題の大転換にもなります。

 実は日本には、光合成研究の足場みたいなところがいくつかできています。例えばパナソニックの研究所では、太陽光だけを使って二酸化炭素と水からギ酸を作るところまで行っています。植物が光合成をするとブドウ糖ができますが、これは炭素が6個結合したものです。それに対してギ酸はHCOOH、つまり炭素(C)が1個しかない比較的に単純な化合物です。少なくとも二酸化炭素の固定化率でいうと、植物よりも高度なものに成功しています。

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