政治・経済

 投資で言うなら、短期に確実なのは自民党、長期逆張りなら民主党ということだろう。

 自民党政権が成立した。個々の経済政策、特に金融政策については、反対の部分が多いが、政権全体で見ると、圧倒的な安定感がある。あれだけ麻生氏が支離滅裂な時代錯誤の政策を自信たっぷりにお説教のように語り続けても、安定感をわれわれに感じさせるのであるから、圧倒的な安定感である。これはどこからくるのか。

 第一に、閣僚の発言が内閣全体で統一されている印象を与える。行動もまとまっている。政権内、与党内の分裂、亀裂が存在しないように見せている。つまり、彼らは大人だ、ということだ。

 自民党は大人。民主党は子ども。これにつきる。自民党は政権与党に長年ついていた。だから、野党に転落すると慌てた老人の見苦しさを露呈するが、与党に戻れば、経験のある落ち着いた老紳士となる。一方、民主党は、若者だ。今までは、民主党というサラリーマン組織で政権交代まではモーレツサラリーマンだったのが、急に大人になり、いや、突然役員になり、個室と秘書と車を与えられ、はしゃぎ過ぎて、社長の言うことも聞かなくなった若造役員ということだったのだ。

 したがって、自民党の個々の政策はバラバラであり、かつ古過ぎて現在に通用しなくても、なぜか見ていて安心感があるから、民主党の若者のドタバタにうんざりした、政治劇場をテレビで見ていた観客は、やっぱり面白くはないけど公共放送は安心ね、と言っているのが現在だ。

 自民党政権はここからである。参議院選挙があるから、大人の自民党は、まとまって夏までは行くだろう。さらに、例えば、金融政策や財政政策の議論でも微修正を徐々にしてきているところをみると、常に現実路線を歩み、柔軟に、数カ月前の発言も一切気にせず、堂々と昔から主張していたかのように演説するだろう。これも、民主党の屁理屈でもなんとか自分のこれまで言ってきたことと整合性をとり、有権者という母親に叱られないようにしてきたのと違う大人の対応だ。

 問題は、大人はやはり古い時代の人間だということだ。公共事業も、企業の過去の設備の買い取りも、おカネをぐるぐるまわせば景気が良くなる、景気は気の問題、というすべての議論は、高度成長期までの日本経済構造の下でしか、意味を成さない政策だ。したがって、参議院選挙後、個別の経済政策が経済を徐々に悪化させる中で、正念場を迎えるが、当面は好調だと予想する。

関連記事

好評連載

深読み経済ニュース

一覧へ
一般社団法人かぎろい出版マーケティング代表 西浦孝次氏

[連載] 深読み経済ニュース解説

2015年の経済見通し

[連載] 深読み経済ニュース解説

再デフレ化に突入し始めた日本経済

[連載] 深読み経済ニュース解説

消費税率引き上げ見送りの評価と影響

[連載] 深読み経済ニュース解説

安倍政権が解散総選挙を急ぐ理由

実録! 関西の勇士たち

一覧へ

稀有のバンカー、大和銀行・寺尾威夫とは

[連載] 実録! 関西の勇士たち(第20回)

実録! 関西の勇士たち

[連載] 実録! 関西の勇士たち(第17回)

三和銀行の法皇・渡辺忠雄の人生

[連載] 実録! 関西の勇士たち(第14回)

住友の天皇・堀田庄三の人生

[連載] 実録! 関西の勇士たち(第11回)

商売の神様2人の友情 江崎利一と松下幸之助

[連載] 実録! 関西の勇士たち(第7回)

関西財界の歴史―関経連トップに君臨した芦原義重の長期政権

ビジネストレンド新着記事

注目企業

一覧へ

葬儀業から脱皮しライフイベントのプラットフォーム運営企業へ―ライフアンドデザイン・グループ

古い体質が残り実体が見えにくい葬儀業界の中で、「パッケージ化された分かりやすいサービス」「家族葬など小規模葬儀に特化」「低価格だが高品質のおもてなし」「出店スピードの速さ」等を強みに事業拡大。人生の終末や死別後に備えた事前準備を行う。文=榎本正義村元 康・ライフアンドデザイン・グループ社長プロフィ…

人材領域で培ったテクノロジーを活用し社会課題を解決する―ビズリーチ

上場して分かったTOKYO PRO Marketのメリット―前田浩・ニッソウ社長に聞く

新社長登場

一覧へ

地域に根差した証券会社が迎えた創業100周年―藍澤卓弥(アイザワ証券社長)

中堅証券会社のアイザワ証券は今年7月、創業100周年を迎えた。この記念すべき年に父からバトンを受け継ぎ新社長となったのが、創業者のひ孫にあたる藍澤卓弥氏。地域密着を旗印に掲げてここまで成長してきたアイザワ証券だが、変化の激しい時代に、藍澤社長は何を引き継ぎ、何を変えていくのか。聞き手=関 慎夫 Photo:西…

メディカル事業を横串にすることでシナジーを発揮し、顧客満足度向上へ 伏見有貴(リゾートトラスト社長)

新事業の芽を伸ばすことでさらに大きな個性的な会社を目指す――日髙祥博(ヤマハ発動機社長)

イノベーターズ

一覧へ

IT化で変革する産業廃棄物処理の世界―福田隆(トライシクルCEO)

一般には馴染みが薄い産業廃棄物処理の世界。古い慣習が残る業界を、ITによって変えようとしているのがトライシクルの福田隆社長だ。業界の老舗企業がテクノロジー導入に舵を切った背景と今後の展望を聞いた。(吉田浩) 福田隆・トライシクルCEOプロフィール   産廃処理で「B to B版メルカ…

再エネ時代到来に向け、大石英司・みんな電力社長が目指す「顔の見える」世界

佐藤輝英・BEENEXTファウンダーに聞く「起業家から投資家に転身した理由」

大学の挑戦

一覧へ

専門分野に特化した“差別化戦略”で新設大学ながら知名度・ブランド力向上を実現――了徳寺大学・了徳寺健二理事長・学長

2000年設立で、了徳寺大学が母体のグループ法人。医療法人社団了徳寺会をグループ内に持つ。大学名の「了」は悟る、了解する、「徳」は精神の修養により、その身に得た優れた品性、人格を指す。「了徳寺」は人間としての品性、道を論す館の意味を込めた大学名だ。 聞き手=本誌/榎本正義 、写真/佐々木 伸 …

大学の挑戦

創立100周年、西南学院大学・K.J.シャフナー学長「世界に貢献しインパクトを与える人材を育てる」〜国際交流・就職支援・インターネット出願〜 

「“STAND BY YOU”のスローガンの下、学生一人ひとりに寄り添う教育を」――中央学院大学・佐藤英明学長

経済界からのお知らせ

最新号のご案内

経済界2019年8月号
[特集] SDGsは江戸にある
  • ・「仁義道徳」 経済人に必要な「利益」と「倫理」
  • ・「利他」 「気候変動に具体的な対策を お金の流れが意識を変える」
  • ・「善の巡環」 高邁な理想を支える創意工夫と挑戦
  • ・「才覚、算用、始末、商人倫理」 SDGsの精神宿る江戸商人
  • ・「国利民福」 国が栄えれば人々も幸福になる
  • ・「先も立ち、我も立つ」 石田梅岩と商人道徳
  • ・「気丈」 学問は「治安」「エンタメ」「立身出世」──江戸庶民の教育事情
  • ・「心田開発」 二宮尊徳の報徳思想
[Special Interview]

 里見 治(セガサミーホールディングス会長グループCEO)

 日本初のIR事業への参入はエンターテインメント事業の集大成

[NEWS REPORT]

◆メガバンクからの陥落目前 みずほ銀行の昨日・今日・明日

◆巨大ドラッグストアチェーン誕生か 業界再編はココカラ始まる

◆カリスマ・鈴木修会長に陰り? ピンチを迎えたスズキの前途

◆G20農相会合で見えてきたスマート農業の未来像

[特集2]

 AI時代に稼げる資格

 今必要な資格、将来必要な資格はこれだ!

ページ上部へ戻る