マネジメント

 インフォマートは、フード業界の企業間電子商取引プラットフォーム「FOODS Info Mart」を運営している。受発注や見積もりなどフード業界における日常業務の取引をシステム化し、顧客のビジネスを効率化させている。今後の事業の展望について、村上勝照社長に話を聞いた。

フード業界向けビジネスプラットフォームを提供する村上勝照氏

-- ビジネスの状況は。

村上 現在はフード業界を中心にBtoBの企業間電子商取引プラットフォームを提供しています。見積もりや受発注、納品伝票、請求書などの取引にかかわるシステムです。

 創業時は企業の出会いの場のようなマッチングサイトからスタートしました。全国各地の食品に関係する企業の中で、モノを売りたい企業と、買いたい企業を結び付ける仕組みがあったらいいということで起業しました。年々、お客さまが増えることに伴い、「こういう機能が欲しい」という声やニーズが増えてきたので、それを元にシステムを作り上げていきました。

村上勝照社長

村上勝照社長

-- 業界標準を目標に掲げられていますが、その到達度は。

村上 われわれが重視しているのが、事業所数と流通金額です。今、全国のフード業界で118万の事業所があると言われていますが、われわれは約19万の事業所にIDとパスワードを発行して使っていただいているので、約16%のシェアになっていると思っています。取引金額は、昨年の実績で日本全国に外食産業は約23兆9千億円の市場があると言われていて、3割が仕入れです。われわれの流通金額は約8600億円ですので約12%のシェアになります。全体で12〜16%のシェアを押さえているので、今後20〜30%、さらに50%を目指して標準化していきたいと思っています。

-- 業界標準は何%のシェアを想定していますか。

村上 ちょっと難しいですけど、われわれとしてはシェアが10%を超えると、お客さまのほうから使ってみようという声がかかりやすいのかなと思っています。実際にシェアが10%に届くまでは、われわれも営業をして採用件数を拡大してきましたが、10%を超えたあたりから、お客さまからの問い合わせが増えたり、既に導入しているお客さまからの紹介が非常に多くなったりしました。昨年1年間でわれわれのシステムを採用された企業は約45%がお客さまからの紹介です。シェアが20%を超えた時点である程度標準化になるという感覚でとらえています。

-- シェアを増やしていくための課題をどのように考えていますか。

村上 お客さまが便利に使っていただくことが一番重要です。ただ、われわれも17年目に突入しているので、ある程度ニーズは押さえています。あとは、われわれがうまくプロモーションしたり、お客さまの紹介を引き出したりできれば、一気に広がると思っています。

村上勝照氏の戦略 新たに請求書システムをリリース

-- 今後の製品展開は。

村上 フード業界の受発注システムをずっと手掛けてきて、今は約1600社のチェーンで約2万8千店舗と、卸・メーカーの約2万5千社との間は、受発注から請求まですべてペーパーレスで完結しています。しかし、外食チェーンも家賃や光熱費、広告宣伝費などは、日々の受発注ではないのでシステムに載っていない取引先が多くあります。3年くらい前から、そこをシステム化してほしいという声が非常に多くなってきていまして、この10月の終わりに「ASP請求書システム」を本格的にリリースします。受発注システムで賄いきれない、受発注に載らない、それ以外の取引先の請求書の仕組みです。

 請求書は手間とコストが結構掛かっています。発行する側は請求書を印刷して封筒に入れて宛名を付けて郵便局に持っていくので、当社でも月に200万円近く掛かります。受ける側も社内の部署に整理して紙で承認作業を経て、経理で支払いに回すという流れがあり、手間が掛かっています。これらをシステム化すると、コストは7〜8割、時間も7割くらい削減できます。

 また、受ける側のメリットとしては、経理のシステムにデータを流し込むことで入力作業が不要になります。さらに郵便と比べてデータをシステムにアップした瞬間に届くので、事業部ごとへの仕分も容易ですし、非常に効率化できます。

 この請求書システムには、われわれの感覚としてもかなり手応えがあります。これができたら本当に世の中のためになるという感じがしますし、やる価値があると思っています。

 今年7月から営業と市場調査を開始し、既に165社との契約が締結しています。年内に、その取引先約15万社に無料ID・パスワードを発行する予定です。今後3年後までに100万社へのID・パスワード発行を目指します。

-- 経営面での課題は何かありますか。

村上 2020年までは会社としての経営計画を立てて、どんなところを目指すか、どんな事業をしていくのかという大筋は決まっているので、徹底的にそれをやっていくとが重要だと思っています。

 われわれはシステムを提供する側なので、重要なのはテクノロジーです。この15年、20年を見ても、システムの技術革新はものすごく速いです。われわれの中でも技術を高めながら、テクノロジーを持った会社として生まれ変わることが一番の課題だと思っています。

(文=本誌/村田晋一郎)

関連記事

好評連載

銀行交渉術の裏ワザ

一覧へ

融資における金利固定化(金利スワップ)の方法

[連載] 銀行交渉術の裏ワザ(第20回)

銀行交渉術の裏ワザ

[連載] 銀行交渉術の裏ワザ(第19回)

定期的に銀行と接触を持つ方法 ~円滑な融資のために~

[連載] 銀行交渉術の裏ワザ(第18回)

メインバンクとの付き合い方

[連載] 銀行交渉術の裏ワザ(第17回)

銀行融資の裏側 ~金利引き上げの口実とその対処法~

[連載] 銀行交渉術の裏ワザ(第16回)

融資は決算書と日常取引に大きく影響を受ける

元榮太一郎の企業法務教室

一覧へ

社内メールの管理方法

[連載]元榮太一郎の企業法務教室(第20回)

企業法務教室

[連載]元榮太一郎の企業法務教室(第19回)

タカタ事件とダスキン事件に学ぶ 不祥事対応の原則

[連載] 元榮太一郎の企業法務教室(第18回)

ブラック企業と労災認定

[連載] 元榮太一郎の企業法務教室(第17回)

電話等のコミュニケーション・ツールを使った取締役会の適法性

[連載] 元榮太一郎の企業法務教室(第16回)

女性の出産と雇用の問題

本郷孔洋の税務・会計心得帳

一覧へ

税務は人生のごとく「結ばれたり、離れたり」

[連載] 税務・会計心得帳(最終回)

税務・会計心得帳

[連載] 税務・会計心得帳(第18回)

グループ法人税制の勘どころ

[連載] 税務・会計心得帳(第17回)

自己信託のススメ

[連載] 税務・会計心得帳(第16回)

税務の心得 ~所得税の節税ポイント~

[連載] 税務・会計心得帳(第15回)

税務の心得 ~固定資産税の取り戻し方~

子育てに学ぶ人材育成

一覧へ

意欲不足が気になる社員の指導法

[連載] 子どもに学ぶ人材マネジメント(第20回)

子どもに学ぶ人材マネジメント

[連載] 子どもに学ぶ人材マネジメント(第19回)

子育てで重要な「言葉」とは?

[連載] 子どもに学ぶ人材マネジメント(第18回)

女性社員を上手く育成することで企業を強くする

[連載] 子どもに学ぶ人材マネジメント(第17回)

人材育成のコツ ~部下の感情とどうつきあうか~

[連載] 子どもに学ぶ人材マネジメント(第16回)

人材育成 ~“将来有望”な社員の育て方~

ビジネストレンド新着記事

注目企業

一覧へ

次世代の医療現場を支える病院経営の効率化を推進――保木潤一(ホギメディカル社長)

1964年にメッキンバッグを販売して以来、医療用不織布などの、医療現場の安全性を向上する製品の普及を担ってきた。国は医療費を抑える診断群分類別包括評価(DPC制度)の導入や、効率的な医療を行うため病院のさらなる機能分化を実施する方針を掲げており、病院経営も難しい時代に入っている。ホギメディカルは手術室の改善か…

刺激を浴びて徹底的に考え抜くことで自らを変革する―― 鎌田英治 グロービス 知命社中代表

ワンストップで手厚くサイトの売却をサポートするサイトマ――中島優太(エベレディア社長)

新社長登場

一覧へ

地域に根差した証券会社が迎えた創業100周年―藍澤卓弥(アイザワ証券社長)

中堅証券会社のアイザワ証券は今年7月、創業100周年を迎えた。この記念すべき年に父からバトンを受け継ぎ新社長となったのが、創業者のひ孫にあたる藍澤卓弥氏。地域密着を旗印に掲げてここまで成長してきたアイザワ証券だが、変化の激しい時代に、藍澤社長は何を引き継ぎ、何を変えていくのか。聞き手=関 慎夫 Photo:西…

メディカル事業を横串にすることでシナジーを発揮し、顧客満足度向上へ 伏見有貴(リゾートトラスト社長)

新事業の芽を伸ばすことでさらに大きな個性的な会社を目指す――日髙祥博(ヤマハ発動機社長)

イノベーターズ

一覧へ

ペット仏具の先駆企業が「ペットロスカフェ」で目指す癒しの空間づくり

家族のように接していたペットを亡くし、飼い主が大きな喪失感に襲われる「ペットロス」。このペットロスとなってしまった人々が交流し、お互いを癒し合うカフェが、東京都渋谷区にオープンした。「ディアペット」を運営するインラビングメモリー社の仁部武士社長に、ペット仏具の世界とペットロスカフェをつくった目的について聞いた…

元引きこもり青年が「cluster」で創造する新たなVRビジネスとエンターテインメント(加藤直人・クラスターCEO)

日本人の英語学習の課題解決に向け、学習者目線のアプリを開発―― 山口隼也(ポリグロッツ社長)

大学の挑戦

一覧へ

専門分野に特化した“差別化戦略”で新設大学ながら知名度・ブランド力向上を実現――了徳寺大学・了徳寺健二理事長・学長

2000年設立で、了徳寺大学が母体のグループ法人。医療法人社団了徳寺会をグループ内に持つ。大学名の「了」は悟る、了解する、「徳」は精神の修養により、その身に得た優れた品性、人格を指す。「了徳寺」は人間としての品性、道を論す館の意味を込めた大学名だ。 聞き手=本誌/榎本正義 、写真/佐々木 伸教育部…

大学の挑戦

創立100周年、西南学院大学・K.J.シャフナー学長「世界に貢献しインパクトを与える人材を育てる」〜国際交流・就職支援・インターネット出願〜 

「“STAND BY YOU”のスローガンの下、学生一人ひとりに寄り添う教育を」――中央学院大学・佐藤英明学長

経済界からのお知らせ

最新号のご案内

経済界2019年3月号
[特集]
環境が経済を動かす

  • ・総論 災い転じて福となせるか 持続可能な社会の成長戦略
  • ・越智 仁(三菱ケミカルホールディングス社長)
  • ・100年後を考える 世界最大級の年金基金「GPIF」
  • ・金融業界はこう動く
  • ・脱炭素化の遅れがはらむ「座礁資産」の危険性
  • ・脱炭素化で移行する「地域循環共生圏」とはどういう社会なのか!?

[Special Interview]

 中田誠司(大和証券グループ本社社長)

 「SDGsを経営戦略の根幹に据えることで企業は成長する」

[NEWS REPORT]

◆稲盛哲学を学ぶ盛和塾解散を塾生たちはどう聞いたか

◆米中経済戦争の象徴となった「ファーウェイ」強さの秘密

◆EV時代にあえてガソリンエンジンにこだわるマツダのプライドと勝算

◆それは自由か幸福か——「信用スコア」で個人の信用が数値化された世界

[特集2]関西 飛躍への序章

 大阪万博開催で始まる関西経済の成長路線

ページ上部へ戻る