マネジメント

「1000円ゲーム」からみる《営業の極意》ー大胆な変身ができるかどうか

 9月末に発売以来、しり上がりに売り上げ好調な『1000円ゲーム』(経済界刊)は、突然、営業成績のトップクラスに躍り出たダメ営業マンが、なぜそうなったのかについて、同じくダメダメ営業マンに語り出すところから始まる。

 こういった大胆な変身は、うわべの精進努力では、なかなか実現できない。根本的なところで、自分を改造しなくてはならない。

 とはいえ、決して絵空事ではないし、空理空論でもない。こうしたダイナミックな変身は、実はしばしば起きることなのだ。

 私自身のサラリーマン時代にも周囲の何人かがそうした飛躍をしたものだった。《営業の極意》を得たといっていい。

 年収1億円の流儀という点でこのことを考えると、営業の極意を得て、思いもかけない変身ができるかどうかが、大いに稼ぐ人間になれるか否かの分岐点ということになる。

 私のメンターの1人で、『年収1億円思考』にも登場したM氏は、20代前半で年収1億円超えを実現した人だ。

 先日、久しぶりにお会いして、『1000円ゲーム』の本を差し上げたのだが、あらためて《営業の極意》について話し合うことができた。

 今回は、『1000円ゲーム』とのからみで、M氏の語る《営業の極意》を中心にお伝えしたい。

「1000円ゲーム」からみる《営業の極意》ー営業マンにとって最も重要なこと

 M氏が語る《営業の極意》とは、次の3つで構成される。

1.顧客づくり

2.自分づくり=お客さまをつくるにあたり、自分はどうあるべきか

3.タフな精神

 さて、この中で何が最も重要なのか。

 ここで、営業マンの悩みとは何か、を考えてみたい。いろいろな悩みがあるだろうが、いちばん共通している悩みは「お客さまを見つけられない」ことにあるだろう。見込み客づくりができないのだ。

 見込み客づくりがほとんどの営業マンの問題点であることは、私も経験で分かる。時間を含めたコストが、いちばんかかるためだが、その見込み客づくりのために営業マンは技術(スキル、テクニック)を学ぶことに必死になる。

 しかし、ここに営業マンの大きな陥穽(落とし穴)がある。

 技術さえ身につければ、特に相手に伝える技術=説得の技術さえ習熟すれば、と考えるあまり、最も大切なことを忘れてしまうのだ。

 その最も大切なこととは、《営業の極意》の中の「自分づくり」なのである。これを忘れてしまうのだ。

「1000円ゲーム」からみる《営業の極意》ーお客様あっての”自分”

 ここで言う「自分」とは、「お客さまに対する自分」という意味である。

 あくまで主体は「お客さま」にある。分かり切ったことを言うな、というかもしれないが、お客さまあっての自分、というスタンスは、頭で分かっているように見えて、実際の営業現場では、つい忘れてしまうものだ。

 「お客さま」ではなく、ついつい「自分」が出る。つまり「お客さま」をほったらかしにして「自分の都合」=売りたい、だけが出てしまうのではないか。そこに現れるのは、前述のような「技術」=自分の売り込み、説得の技術である。

 しかし、お客さまの前にいる「自分」の姿で、最も大切なのは、売り込みの技術を展開している自分ではない。

 そういう姿をした「自分」はお客さまから、最も嫌われてしまう姿であることを、早く気付かなくてはならない。

 では、どんな自分でなくてはならないか。

 それはひと言で言えば、お客さまの言葉を、その考えを、悩みを、希望を、「心を込めて傾聴する自分」である。そういう自分をつくることが何よりも肝心なのだ。

 [今号の流儀]

ダメ営業マンは根本的なところで「営業」を誤解している。

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