政治・経済

 安倍晋三政権が成長戦略の柱とする「ロボットによる産業革新」が農業にも波及しようとしている。農林水産省が来年度から、農作業を手助けするロボットの開発支援に乗り出すことを決めた。その第1弾として本格導入を目指すのが、体に装着し、農作業で腰や足にかかる負担を軽減する「アシストスーツ」だ。農水省は同スーツの量産化に必要な費用を半分程度補助する方針。完成品は和歌山県などの大規模ミカン農家に貸与し、どの程度、作業の効率化に役立つか実験を行うという。

農林水産省

農林水産省

 他産業に比べて少子高齢化の影響を受けている農業では、作業の省力化や負担軽減につながる新技術の普及拡大が急務となっている。その中で、農水省は研究開発が進み量産化に近いとみられるアシストスーツの普及促進から始めるべきだと判断。年間約100台程度のアシストスーツが製造できる企業や研究施設を支援する。量産に必要な原材料費や設備投資費について、総額から2分の1程度を補助する方向だ。農家での実証実験の費用も半額程度を補助する。

 アシストスーツは、人手での作業が多く一度に20キロ以上の収穫物を運ぶこともあるミカン農園での使用を想定している。和歌山県や愛媛県などで、4ヘクタール以上の農園を持つ大規模農家を対象に実証試験を行うとみられる。

 アシストスーツは、身に付けた人の動きを感知し補助する仕組み。研究が進み今の主流は重さ7〜8キロで、装着にかかる時間も約1分程度と簡素化されている。現在は1台当たり100万〜200万円と高額だが、量産化し販売台数が増えれば値下がりも期待できる。農水省は「本格的な普及には1台50万円以下にする必要がある」とみている。補助金の支給により、まずは年産100台以上の生産体制を構築し、5年後に同1千台以上の生産を目指す。

 農水省は来年度の概算要求で「先端ロボットなど革新的技術の開発・普及」に新たに約52億円を計上。アシストスーツのほか、自動走行が可能なトラクターや除草ロボットなど、ロボット技術を活用した国内農業の技術革新に力を入れる。

 

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