政治・経済

 10月1日、安倍晋三首相が消費税の増税を決断した。1997年4月に3%から5%に引き上げられて以来、17年ぶりで、来年4月、現行5%の税率が8%に引き上げられる。低所得者の家計負担を和らげるため、一部の品目に限った軽減税率も検討されるが、適用のやり方しだいでは財源不足などの問題も出てくるため、財務省としても頭が痛い。

「国の信認を維持し、持続可能な社会保障制度を引き継ぐ」。この日、開かれた政府与党政策懇談会で、安倍首相は消費税率の引き上げについて、こう説明した。麻生太郎財務相も経済財政諮問会議で、「日本政府や国債への信認が不可欠だ」と述べ、消費税増税の意義を強調した。政府は景気腰折れを防ぐため、6兆円規模の経済対策も閣議決定した。

 政府は増税に合わせ、低所得者に限って現金を支給し、家計の負担を和らげる対策をとる方針だ。来年4月に税率を上げた後、「年収が一定以下」といった条件を満たす世帯に対し、1人当たり1回1万円を給付し、年金受給者には5千円を上乗せする。支給は7~9月ごろになるとみられる。

 さらに、2015年10月の10%への増税を見越し、食料品などに限った軽減税率の導入も検討する。欧州などでは広く採用されており、公明党が主張している。

 だが、適用範囲をめぐっては課題もある。例えば食料品の場合、高級な食材にも課税するのか、また、高級なものと、そうでないものの区別をどうつけるのか。食料品以外では、新聞や書籍への課税を低減すべきとの声も多い。税率が異なる品目が多いと消費者が混乱する上、範囲が広がり過ぎれば、財務省としては、財源不足に悩むことになる。

 同時に決まった経済対策は企業の優遇がもっぱらで、家計への支援は手薄だ。97年の増税時はアジア通貨危機も重なって、経済が失速した。今回は財政をうまくコントロールしながら、同じ轍を踏まずにすむのか。財務省を中心とした政権の舵取りが問われている。

 

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