政治・経済

 JR北海道が多数のレール異常を放置していた問題で、国土交通省は野島誠社長ら経営陣を刷新する方針を固めた。菅義偉官房長官が9月末、「鉄道事業の信頼が損なわれないよう、国土交通省で検討することになる」と会見で方針を明らかにした。JR北海道の株式は実質的に国が100%保有しており、代表権を持つ会長・社長人事は了解が必要となる。

 国交省はJR北海道に対し、9月21日から28日まで特別保安監査を実施した。監査はレールを管理する土木部門だけでなく、運行全般に範囲を拡大し、野島社長ら経営陣への聞き取り調査も行った。国交省によると、鉄道会社の経営トップに監査が及ぶのは異例で、技術面だけでなく、経営管理体制にも問題があったとの見方を強めている。

 国交省は現在、監査の内容を分析中で、その結果を踏まえて、必要があれば追加の監査を実施、鉄道営業法に基づく事業改善命令も検討する。同時に経営陣の刷新も検討、JR東日本など外部からの登用も軸に人選を進める。

 菅長官は国交省から監査の報告を受け、「具体的措置は(監査の)結果を踏まえて適切に行っていく」と話した。太田昭宏国交相は「経営陣には一連のトラブルを真正面から見据えてしっかり対応する必要がある」とクギをさしている。

 JR北海道の問題の発端は、函館線で9月19日に起きた貨物列車の脱線事故だった。JR北海道が管内の路線について緊急点検を実施したところ、次々と異常が見つかった。客を乗せた列車が走行する本線のレールの不具合も多く、レール幅が基準値を上回る267の異常箇所が見つかった。

 JR北海道は2011年5月、JR石勝線で特急列車が脱線炎上した事故の際に事業改善命令を受けている。今回も出されれば、同じ鉄道事業者に2度は初めてとなる。鉄道事業法の処分には「事業許可取り消し」や「事業停止命令」があるが、運行が停止すれば利用者への影響が大きいため、いずれも出されたことはなく、事業改善命令が事実上最も重い処分となる。

 

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