マネジメント

ネット関連のコンサルティングを手掛けるDYMが、大学生の新卒紹介事業に進出してからわずか4年で、この分野の採用決定数で業界トップに躍り出ようとしている。その秘密はどこにあるのか。

 

良質な新卒学生を求める中小企業

 優秀な新卒生が欲しい――。これは成長期の企業に共通の課題だ。しかし、大企業と違い、中小・ベンチャー企業では専門の採用部隊を構える人的余裕もノウハウもないのが実情である。

沖之城雅弘氏 (おきのじょう・まさひろ) 株式会社DYM 取締役・新卒紹介事業部部長 経営コンサルティング会社を経て、2010年にDYMに入社。みずから立ち上げた新卒紹介事業は、同氏のリーダーシップのもと、急成長を続けている

沖之城雅弘氏
(おきのじょう・まさひろ)
株式会社DYM 取締役・新卒紹介事業部部長
経営コンサルティング会社を経て、2010年にDYMに入社。みずから立ち上げた新卒紹介事業は、同氏のリーダーシップのもと、急成長を続けている

 「企業側はさらなる成長のために採用したい。一方で、学生側はそのような優良な中小企業があることすら知らない。そのギャップを埋めるのがわれわれの仕事です」

 2010年10月にこの事業を立ち上げたDYMの沖之城雅弘取締役・新卒紹介事業部部長は、明快に自社のミッションを説明する。同社が14年4月入社の橋渡しをした新卒者は、メーカーからサービス業まで1千社以上に約1100人。15年にはさらに大きく伸び、業界一となる見込みだ。

 「小さな優良企業は広告を載せても、就活イベントを行っても採用に苦戦します。当社は、『良質な母集団』と『精鋭リクルーター』が不可欠と考え、その部分を強化することにしました」

 こうして、コンサルティングやイベント開催といった次元を超えた、DYMの「成果コミット型新卒紹介事業」が始まった。基本的な人材紹介業では、採用者1人ごとに対価が発生するが、「成果コミット型」は、紹介形式ではなく、各社に最適な採用プランを練り、実際の採用活動まで行う。

 例えば、3~5人の新卒採用をしようとすると、500人くらいを当初の対象として説明会を行うのが一般的だ。そこから絞り込みをするのだが、時間と経費がかさんでしまう。しかしDYMは、クライアントごとのプランに沿って15人程度に絞ってから採用活動に移るため、コストが大きく削減でき、大手就活サイトの“一括エントリー”に比べて良質な学生を集めやすい。

学生との接点を持つイベントは年間200件以上を開催

学生との接点を持つイベントは年間200件以上を開催

 

 

中小企業でも新卒学生に直接アプローチが可能に

  ここにITの力が加わる。

 「ちょうど事業を立ち上げたのが、SNSの急速な普及の時期でした。従来型の人材紹介は学生のデータベースを持っている大会社でないと難しかったのですが、SNSで個人に直接アプローチできるようになりました。もともとネットに関してはプロフェッショナルな会社なので、一気に母集団づくりが進みました」

ネット企業らしく、就活アプリも自社開発している

ネット企業らしく、就活アプリも自社開発している

 DYMでは、まず意欲の高い上位大学にアプローチした。募集の段階で人材を絞ったのである。そしてフェイスブックでは、社内でオリジナルの就活アプリを開発した。しかし、DYMのやり方はそこにとどまらない。ネットは確かにカバー範囲が広いが、それだけでは不十分だと感じたからだ。

 「ネット経由で集めにくい層がいるのです。例えば、体育会ですね」

 そのような学生には、“リアル”で接点を持つしかない。そこで同社では、体育会出身者を多く揃え、幅広い人脈と人間性で共感を得るリクルーティングを展開している。

 その顔触れは、東京六大学のアメフト部元キャプテン、甲子園経験者、サッカーの元プロ選手など多彩を極めている。文系・理系を含め、約40人の精鋭リクルーターが親身になって学生に接しているのだ。

 新卒採用にかける思いを沖之城氏は次のように語る。

学生一人ひとりと面談を行い、リクルーターが企業との相性を見極める

学生一人ひとりと面談を行い、リクルーターが企業との相性を見極める

 「新卒紹介業は、正しく行えば社会貢献になりますが、間違えば社会問題になってしまいます。成長する会社を築いていくには新卒採用は必須です。自社のDNAで社員が育っていくので、長期的な視点で見ると中途採用では得られないメリットがあります。若い世代の才能を開花させる力になりたいと思っています」

 

株式会社DYM
東京都品川区西五反田2-27-3
五反田フロントビル8階
TEL:03-5745-0200

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