政治・経済

 ソフトバンク(9984)は7月高値更新の余勢を駆って、10月2日の前場中、一時7250円まで買われ、上昇率4%に達した。2度の1対3株式分割を考慮したベースでは、2000年5月以来の株価水準となる。

 全般軟調地合い下で、突出人気を集めた背景には、まず、外部環境の影響を受けにくい内需系好業績株イメージがあり、9月30日に新製品のスマートフォン(スマホ)4機種を発表。また、1日に5千億円の普通社債発行登録枠を設定したことも、増資リスク後退と受け止められた。さらに、「ソフトバンク・KDDI(9433)買い/NTTドコモ(9437)売り」のセクター内リバランスを指摘する声も聞かれた。より直接的には、1日の米NASDAQ市場におけるヤフー人気化(1・14㌦高の34・31㌦)も格好の刺激材料。現地での買い推奨を受けたものだが、理由の1つに中国の電子商取引最大手、アリババ・グループの米国上場接近も挙げられていた模様。となると、このアリババに36・7%出資するソフトバンクにも人気波及することは当然の成り行き。上場実現となれば、大幅な含み資産増は間違いないところ。

 さて、この株に関してもう1つ、市場筋の間で高い関心を呼んでいたのが「時価総額競争」。株式数などの基準の取り方によって各メディアの記載は微妙に異なるが、8兆円台後半のソフトバンク時価総額は、日本株2位の三菱UFJFG(8306)まで「あと2%程度」に迫っている。

 思えば、JT(2914)を一気に抜いて、3位浮上で話題を呼んだのが7月17日の話。その時点で2割強上回っていた三菱UFJに、早くも肉薄してきたわけだ。

 そもそも昨年末時点のソフトバンクは、まだ12位だっただけに、異例の〝ゴボウ抜き〟状態。これより上となると、時価総額21兆円台の〝巨人〟トヨタ自動車(7203)を残すのみの位置に到達してきた。「次々とメガバンクを抜いていくあたりは時代の流れを感じさせる」(野村証券・佐藤雅彦エクイティ・マーケットアナリスト)とされるゆえんだ。

 ただ、「もちろん直接比較はできないが、例えば、ソフトバンクが子会社化したガンホー(3765・JQ)の場合、急騰を経て、任天堂との時価総額逆転が話題を呼んだ直後に大天井形成となった経緯が若干気に掛かる」(佐藤氏)という。ガンホー創業者は、ソフトバンク・孫正義社長の実兄でもある。

 ソフトバンクが失速を避けるためにも、ここであっさり三菱UFJを抜き去れるかは目先の注目ポイントとなりそう。

 ちなみに、ソフトバンク以外の時価総額上位の顔触れを見ると、順位変動があまり見られない。それでも、あえてほかの〝注目株〟を探ってみると、昨年末25位から10月1日時点で21位に浮上してきた新日鉄住金(5401)あたりか。18位JR東日本(9020)、19位三菱商事(8058)、20位ヤフー(4689)とは、ほとんど差のない位置に付けている。市場の一部では「一連の建設株に次ぐ内需人気の流れが、こうした銘柄に向かっていい。堅実な有配株として、値頃的にもNISA(少額投資非課税制度)向き」といった見方も。

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