政治・経済

 複数の保険会社の保険を取り扱う乗り合い代理店(保険ショップ)への金融庁の厳しい眼差しが再び強まっている。9月半ば保険会社を通じて対象となる数十の代理店に販売手数料の水準などについて提出と10月末までの報告を求めた。特定の保険商品の販売が集中している場合などは説明を求める。推奨保険の決定過程などについても、「過去にないほど徹底的に調べる」(金融庁幹部)意向だ。

 問題の根底には、保険が手数料の開示義務がなく、販売実態が分かりにくいことがある。保険ショップは複数の会社の保険を取り扱うことで中立性をアピールし急成長を遂げたが、自社の営業職員を多く抱える大手生保や専属代理店が販売の中心の大手損保からは、「手数料の高い保険を勧めているだけ」といった指摘も挙がる。一方、中堅の生損保会社にとっては、「乗り合い代理店は重要な販売チャネル」(中堅生保)との声もある。多くの自社商品を販売してほしい保険会社側と収入源である保険会社の手数料次第で推奨商品を決めることができる不透明な構図が、疑惑を生み出している。

 保険ショップ各社は「そうした事実はない」(大手)と強調するが、「急成長を遂げている大手の中にはそうした噂が絶えない社もある」と指摘する声もある。

 金融審議会のこれまでの議論では、手数料開示は保険ショップのみならず業界の反発が根強く見送られ、保険ショップが中立であることを強調して、消費者に誤解を与えないようにすることで決着したが、ある金融庁幹部は「株式や投信には手数料の開示義務があるのに保険だけはないというのもおかしい。この問題に決着をつけるには手数料の開示を真剣に検討しないといけない」と説明する。

 ここ5年で大手保険ショップ4社の店舗数は約220から約1050へと5倍近くへと膨れ上がった。金融庁には業界が健全に成長しているか判断した上で、保険契約者の目線に立った適切な対応が求められる。

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