政治・経済

 第2次世界大戦の終戦からおよそ70年。世界の様相は大きく様変わりし、日本の社会・政治経済も激変した。とりわけ、世界経済は昔の面影を留めず、太平洋・大西洋をまたいだ縦走・横走の規模拡大を続けている。そんなメガ経済で戦う日本の起点は、占領軍が指導した財閥解体と、結果生まれた多くの旧財閥系企業にあった。旧財閥系企業グループと言えば、三菱・三井・住友が代表的だが、堀田庄三が支配した住友は外延企業グループも資本力で巧みに翼下に収め、ともに成長する。おおむね4年の周期で訪れる好不況の波。堀田の持説は不況時に評価を高め、特に、「減速経済下の〝世直し〟は節約と勤勉。高度経済成長の夢から目覚め、原点に立ち返るべき」と力説する堀田には、他を圧倒する情熱が感じられた。

 河内銀行の合併や総合オンラインシステム導入で銀行経営の歴史を書き換えた堀田は、量的拡大を図るべく、積極的融資政策を打ち出す。それは、財閥系銀行のイメージを払拭するための「大衆化路線」︱︱すなわち、「消費者金融、および中小・中堅企業への融資比率拡大」の政策であり、国内金融市場の中心地・関東でのシェア拡大政策でもあった。また同時進行で、新住友ビルの建設や首都圏への銀行新店舗重点配置、ブルーカード・キャンペーンなど、重要なイメージアップ戦略も展開。さらにこの間、住友系列の大阪商船と三井船舶の合併工作に乗り出し、船隊規模世界一の「商船三井」を誕生させた。これは「三井住友銀行」誕生の布石とも言える。

 トップバンクへの道を疾走していた堀田は、プライベート面でも堀田家の系譜作りに腐心する。まず長女・育子を三菱系の日本郵船・浅尾新甫元会長の二男・浩二と結婚させ、長男・健介と昭和電工・安西正夫元会長の三女・公子との結婚も成立させた。結果、堀田家系譜は安西家を通じて天皇家・住友家につながっていく。さらに、二男・明は大正製薬・上原昭二の長女・正子と養子縁組し、大正製薬社長になる。

 1977年6月、堀田は取締役相談役名誉会長に就任。挨拶で、「魂魄ここに留まりて」との執念を見せ、ワンマンに徹しながら91歳で逝去する。時は90年12月。それから24年がたとうしている。

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