マネジメント

目的思考で生きる営業マンか、馬車馬みたいに働く営業マンか

 9月末に出版した『1000円ゲーム』(経済界刊)が発売1カ月で3刷とのこと。依然として売れ行き好調だ。

 副題に、5分で人生が変わる「伝説の営業法」、とあるように、私の営業人生で出会った、飛び切り優秀な営業マンたちから得た「真理」を核に構成している。

 この「真理」を会得すれば、まさしく営業マンの人生が変わること、間違いがない。何しろ私の見てきた「できる営業マン」というのは、いずれも億というお金を稼ぎ出す人たちだからである。

 この人たちと、「できない営業マン」とは、いったい、どこがどのように違うのか。今回はそれについてズバリと指摘しておきたい。

 ひと言で言えば、「できる営業マン」が例外なく「目的思考」で動くのに対して、「できない営業マン」はそうではないことだ。

 つまり両者には、何も考えずに、刺激(上司の命令)に対して反応する(馬車馬のように働く)だけか、あるいはせいぜい営業テクニック重視という「手段思考」にすがって動くだけ、という違いがある。

 目的思考とは、「すべてを目的から発想する」ことである。 まずは目的ありきであり、その目的からあらゆる営業活動がスタートするのだ。『1000円ゲーム』ではズバリ「営業の目的」をテーマにした。

「目的」=「望む結果」を決めて毎日の課題を実現する営業マンに

 営業の目的は《売ること》と考えている営業マンが多いのに驚く。しかもこれは自分で考えた「目的」ではなく、会社あるいは上司から押し付けられたものでしかない。それをほとんどの営業マンが、あたかも自分の営業人生の目的のように考えている。

 それは間違いだ、だから成績も上がらないのだ、というところから『1000円ゲーム』はスタートし、飛び切り優秀な、伝説的な営業マンの言行をベースに正解に迫る。

 達成すべき「目的」を間違えて、または意識せずに展開するビジネスなんて、どこの港に着くか分からずに漂流する船のようなものでしかない。

 稼ごうとしたら、着くべき港をまず正確に決める=すなわち「望む結果」を最初に決めて、そこから自分に毎日の課題を投げかけ、着実に実現していくしかない。

 ここで注意しなくてはならないのは、目的と目標は違うということだ。目的は目指すべき価値観で、企業ならば企業理念、個人なら生き方であり夢。目標は経営計画だ。そうして、目標や期限から、果たすべき行動を、日々の行動に落とし込むのである。

「目的」を持つことは営業マンにとって究極のモチベーション

 私の関わるFP(フィナンシャル・プランナー)の業界でも、滑稽なことに、同様である。なぜ滑稽かと言えば、自分のお客さまのライフプランは作成しているのに、自分のライフプランは作成できない人が多いからだ。たいてい、ただむやみに人と会って、無駄な時間とお金を使っているとしか、私には見えない。

 つい最近も、後輩FPのK君に忠告したばかりだ。

 彼は優秀で、外資系保険会社から独立して頑張っている。今は年収500万円ほどだが、もっと収入増を図りたいと相談にやってきた。

 そこで営業マン人生の目的を持つこと、そこから目標や戦略を立て、その目標をクリアするための展開、売り上げの方程式をつくりなさいとアドバイスした。

 彼にとっては、これまでとは別の生き方をすることに等しいが、自分が現在よりもよくなろうと思ったら、考え方も行動もまったく異なる方法を選ばなければならない。

 営業人生の目的とは、営業マンにとって究極のモチベーションだ。スランプに陥ったときも、目的を振り返ることで脱却できるものなのだ。

[今号の流儀]

目的思考を持てば、今日の仕事の意味がはっきりしてくる。

 

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