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消費税増税を見越し 補正予算の規模検討開始で綱引きが激化--財務省

霞が関ウォッチング

麻生太郎財務相

麻生太郎財務相

 来年4月に予定される消費税増税を見越し、景気を下支えする補正予算の規模の検討が、政府内で始まった。9月17日現在、まだ額は固まっていないが、財務省は「2兆円程度なら、新しく国債を発行しないですむ」としている。さらなる上積みを求める意見もあり、規模をめぐる綱引きは、激しさを増しそうだ。

「基本的には国債を出さないですむ方向で検討する」。補正予算について13日の会見で麻生太郎財務相はこう述べた。また補正の規模について、「(減速した景気を)また戻す環境を整えるため十分な規模がいる」と話した。

 4~6月期の国内総生産(GDP)が上方修正されるなど、景気の回復傾向がはっきりしてきた。これを踏まえ、安倍晋三首相は、日銀短観が発表される直後の10月1日にも、来年4月の消費税増税を決断する方向だ。

 税率は、5%から8%へ引き上げられる。企業や家庭は使えるお金が少なくなるので、景気は下押しされる。財務省は、昨年度の剰余金約1兆3千億円に加え、今年度の税収の上ぶれ部分などを含んだ2兆~3兆円を補正予算の原資に充てる考えだ。

 ただ、「2兆円程度では力に欠ける」との声も、政府や与党、有識者の間で強い。こうした声に押されて、最終的に補正予算の額は、5兆円程度にまで膨らみかねない。

 そうなれば、財源に新規の国債発行が必要となる可能性がある。そもそも国債発行を抑えるため消費税を増税するのに、景気下支えのために国債を出さなければならないとなれば、本末転倒だ。

 補正予算の編成以外にも、設備投資減税や法人の実効税率の引き下げ、所得税の一時的な減税など、大幅な減税措置を求める声が出ている。もし実際に行われれば、政府は代わりの財源探しに苦しみそうだ。

「財政再建」と「経済成長」という、相いれない要素の対立構造が、またもや浮き彫りになった格好だ。消費税増税という歴史的な決断にあたり、財務省や政府は、舵取りを誤ることは許されない。

 
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