政治・経済

羽田・成田空港の現状では航空需要拡大に対応できず

 2020年東京五輪開催決定を受け、国土交通省の航空局の動きが活発になっている。

 まずは首都圏の羽田、成田両空港の発着枠を拡大する方向で具体的な検討を始めると発表した。発着枠は航空機の発着回数の上限を示すもの。20年の夏季五輪の東京開催が決まったことで、訪日外国人の急増などで両空港を利用する航空需要の拡大が見込まれると判断した。

 国交省によると、羽田、成田両空港で日本全体の国内線利用客の68%、国際線利用客の60・6%を占める。太田昭宏国土交通相は同日の閣議後会見で「五輪開催に向け、世界各国から多くのお客を迎えるためにも首都圏空港の機能強化は必要不可欠」と語った。

 羽田、成田両空港の年間発着枠は現在、合計で68万回。14年度中に合計約75万回まで増やすことが決まっているが、世界の主要空港の平均的な発着枠は90万~100万回。五輪開催時には「とても足りない」(航空局幹部)とみられており、対策を急ぐ。

羽田の利便性を高めてインバウンドに対応

 発着枠拡大の選択肢としては、羽田空港に5本目の滑走路を増設する案や、騒音問題に配慮して避けてきた航空機の東京都内の上空飛行を認める案などが検討される可能性がある。

 上空飛行の解禁は地元自治体との交渉が難航必至。航空各社は期待する一方、「慎重な対応が必要」(日本航空幹部)との立場だ。

 ただ国内では上空飛行を解禁していることで、空港から市内中心部へのアクセスが便利な空港は多い。福岡空港がその1つで、海外でも米ニューヨークなど主要空港の例がある。ボーイング社の最新鋭機787など、以前の飛行機に比べ騒音が少ない航空機も開発されており、「実現は可能」と航空局幹部は意気込む。

 さらに国交省は、14年度から羽田空港の国際線着陸料を引き下げる検討に入った。発着枠に余裕がある深夜帯の着陸料が対象で、新たな路線を就航させたり増便したりする場合には、航空会社が負担する着陸料を3年間にわたり年20~50%引き下げる。

 値下げを呼び水に国際路線を誘致する。20年の東京五輪もにらみ、羽田の利便性を高めて訪日客拡大につなげる構えだ。

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