政治・経済

大型株でも成長期待高いリクルート

 大型上場が相次いだ14年だが、最も注目されたのは、10月に東証1部上場を果たしたリクルートだろう。

峰岸真澄(リクルートホールディングス社長)

峰岸真澄(リクルートホールディングス社長)

 同社は10年以降、人材関連分野を中心に海外企業の買収を加速。上場はさらなるM&A戦略遂行に向けた財務の多様性確保や、グルーバル市場における信頼性の向上といった観点からも必要な決断だったようだ。

 上場当日は日経平均が大幅に下げる中で、公開価格3100円に対して初値は3170円、終値は3330円と順調なスタート。時価総額は約2兆円に達した。

 峰岸真澄社長が上場会見で述べたように、同社の目標は、「人材派遣業界でグローバルナンバーワンを目指す」こと。周辺事業の多さから、幅広い層の投資家が集まりやすい点や成長性の高さなどから、今後も躍進が期待される。

 そして、高い関心を集めながら、今年の上場延期を発表したのがLINEだ。その理由について同社は「資金調達に関しては現状特に問題がないため、タイミングを見直すことになった」とコメントを発表。アカウント乗っ取り事件などによってセキュリティー面での不安が露呈したり、グローバル市場におけるメッセンジャーアプリの競争激化が指摘される中での決定だけにさまざまな憶測を呼んでいるが、来年以降どのような動きを見せるか、注目されている。

日銀のサプライズ緩和で日経平均株価は1万7千円を超えた

日銀のサプライズ緩和で日経平均株価は1万7千円を超えた

 14年の話題を集めたこれら大型上場だが、発行株式数が多いため、初値が公開価格を下回るケースが多かった。13年は初値が公開価格を上回ったケースが全体の96%以上だったのに対し、14年は70%に落ち込んだ。いわゆる「IPO神話」が崩れたのは、大型上場が多かったことに加え、投資家による銘柄選別が厳しくなったことも理由だ。

 長い目で見れば、今後は大型上場が増える可能性がある。理由のひとつは、十分に売り上げ規模を拡大し、ベンチャーキャピタルなどから事業資金を確保しながらも、上場を先延ばしにする動きがIT企業などを中心に出始めたことだ。

2014年IPO企業一覧/出所:東京IPOの資料を基に本誌作成(2014年11月19日現在) 日本では特に、上場によるキャピタルゲイン確保や社会的信用性向上を目的に株式公開を急ぐ企業が多く、これが小粒な企業のIPOを数多く生む要因にもなっていた。

 しかし、有力な企業にとって資金調達環境は以前より良くなっており、必ずしも上場する必要がないケースや、経営の自由度維持に重きを置くシリコンバレー型の考え方を採る経営者が増えてきている。グローバル展開を果たした後で、満を持してIPOというケースもこれからは出てくるだろう。

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