政治・経済

 2014年度の税制改正に向け、各省の要望が出そろう中、経済産業省の影が薄い。安倍晋三政権は、成長戦略に盛り込んだ「産業の新陳代謝」を後押しするため、施設や機械の更新を促す設備投資促進税制などを柱に据える。だが、肝心の要望を出す経産省が従来から主張する法人税減税には踏み込まず、「やる気がみられない」などの声が上がる。

「大胆な政策で企業の設備投資を促し、民間主導の持続的な経済成長の実現を目指す」。茂木敏充経済産業相は8月30日の閣議後会見でこう宣言し、財務省との調整に意欲を示した。

 経産省が今回の税制改正要望で重視するのが、設備投資促進税制の創設だ。機械設備などへの投資額を、減価償却費として一括で経費に計上することで税負担を減らす「即時償却」の採用を要望。また、研究開発投資でも、過去3年間の平均を上回る部分の研究開発費のうち5%分を、法人税から差し引ける控除率を最大30%まで引き上げるよう求めた。

 いずれも産業政策を重視する安倍政権の方針に沿った内容だが、同省OBの自民党議員は「せっかくの追い風なのに存在感が薄い」と嘆く。企業からは設備投資と並んで法人税率の引き下げへの期待が強く、経産省の長年の悲願でもあった。11年度税制改正では40%強から35・64%に引き下げられたが、韓国や中国の20%台半ばと比べて依然として高いにもかかわらず、省内からは「もう既に引き下げた」などの声さえ聞こえる。

 他省庁からは「減税の代替財源として、企業が重視する租税特別措置の見直しを迫られるのを恐れているのでは」とうがった見方も出ている。

 茂木経産相は、「(税制改正要望は)成長戦略の実行を第1に掲げる安倍内閣にふさわしいものになるように財政当局と調整していく」と意気込むが、かつての「日本株式会社の司令塔」の存在感にはほど遠いのが実情だ。

 

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